読み方:ろうにゃくなんにょ

「老若男女」の意味

老人も若者も、男性も女性も含めた、あらゆる人々のことです。

「老若男女」の語源・由来

「老若男女」は、「老若」と「男女」を重ねた形です。

「老若」は平安・鎌倉時代の古記録などに用いられた和製漢語とされ、天元3年(980)の文書にも「老若」の例があります。

その成立には、日本語の「若」の字に「わかい」という意味が生じていたことが関係すると考えられています。

読みでは、「若」に呉音の「にゃく」を用います。「男女」を「なんにょ」と読む形も古く、『続日本紀』養老5年(721)の記事に用例があります。

「老若男女」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「老若男女が〜」
    幅広い人々をまとめて主語にします。「老若男女が集う」「老若男女が参加する」などの形です。
  • 「老若男女を問わず〜」
    年齢や性別による限定を設けないことを示します。「老若男女を問わず利用できる」「老若男女を問わず楽しめる」などと使います。
  • 「老若男女に〜」
    人気や支持などが及ぶ相手を示します。「老若男女に人気がある」「老若男女に支持される」などの形です。

「老若男女」の例文

  • 地域の夏祭りには、毎年多くの老若男女が訪れます。
  • このカードゲームはルールが分かりやすく、老若男女を問わず一緒に遊べます。
  • 長年放送されてきたその番組は、老若男女に広く親しまれています。

「老若男女」の類似表現

老幼男女

読み方:ろうようなんにょ

「老若」の代わりに「老幼」を用いた表現で、意味はほぼ同じです。

多くの場面で言い換えられます。

老若貴賤

読み方:ろうにゃくきせん

年齢の違いに加えて、身分の高低を問わず人々を広く指す表現です。

性別ではなく、社会的な身分を組み合わせている点が異なります。

「老若男女」の古い用例

光悦本謡曲『熊野』には、1505年ごろの例として

「老若男女、貴賤都鄙」

とあります。

「貴賤都鄙」と続けることで、年齢や性別だけでなく、身分や都市・地方の違いまで並べて人々を広く挙げています。

滝沢馬琴『椿説弓張月』(1807~1811年)の拾遺には、

「一村の老若男女(ロウニャクナンニョ)」

という形があります。

江戸後期には現在と同じ読みが明示され、「一村の」を前に置いて村の人々全体を指す名詞として使われていました。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「老若男女」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「老若男女」「老若」「男女」項。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。