擦った揉んだ
読み方:すったもんだ
「擦った揉んだ」の意味
物事がすんなりまとまらず、意見が合わないために何度ももめたり、ごたごたしたりすることです。
一度の口論だけでなく、話がまとまるまでにいろいろな問題や対立が起こる様子にも使われます。
「擦った揉んだ」の語源・由来
「擦る」と「揉む」を重ねた表現で、擦ったり揉んだりする動作から生まれたとされています。
二つの動作を調子よく並べた「擦った揉んだ」が、物事がもつれて容易にまとまらない様子を表すようになりました。
江戸時代には、「なんのかのと言う」「あれこれ自分勝手な言い分を言い立てる」という意味の「すったのもじったの」という類似した表現も使われていました。
「すったもんだ」との関係も指摘されていますが、これが直接変化して現在の形になったと断定できるわけではありません。
「擦った揉んだ」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「擦った揉んだする/した」
「する」を付けて、もめたり話がこじれたりする経過を表します。「契約をめぐって擦った揉んだした」「二人で擦った揉んだする」などの形です。 - 「擦った揉んだの末(に)〜」
さまざまな対立や問題を経たあとの結果を述べる形です。「擦った揉んだの末に合意する」「擦った揉んだの末、延期する」などと使います。 - 「擦った揉んだがある/あった」
「擦った揉んだ」を名詞のように扱い、問題や対立が起きたことを述べます。「社内で擦った揉んだがあった」「多少の擦った揉んだがある」などの形です。
「擦った揉んだ」の例文
- 新しい商品の名前をめぐって担当部署同士が擦った揉んだしたが、ようやく全員が納得する案に決まった。
- 住民との擦った揉んだの末、市は工事計画の一部を見直すことになった。
- 二人の結婚には家族の反対など多少の擦った揉んだがあったものの、今では皆が祝福している。
「擦った揉んだ」の類似表現
ごたごた(ごたごた)
人間関係のもめ事だけでなく、物事が乱れて面倒な状態になっている場合にも使えます。
「家庭内のごたごた」「手続き上のごたごた」など、対象の範囲が広い表現です。
紆余曲折(うよきょくせつ)
物事が順調に進まず、途中でさまざまな変化や事情を経ることをいいます。
人同士が激しくもめていなくても使うことができ、「紆余曲折を経て完成した」のような改まった文章にも適しています。
「擦った揉んだ」の古い用例
坪内逍遙『内地雑居未来之夢』(1886年)には、「スッタモンダしてゐますうちに」という記述があります。
カタカナ表記ですが、「スッタモンダ」に「する」を続ける形がすでに明治時代に使われていました。
現在の「擦った揉んだする」と同じ組み立てです。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「擦った揉んだ」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「すったもんだ」項。
