スタートを切る
読み方:すたーとをきる
「スタートを切る」の意味
競走などで出発すること、また、物事を始めることです。
物事について使う場合は、「好調なスタートを切る」「新たなスタートを切る」など、始まり方の様子を表す言葉とよく結びつきます。
「スタートを切る」の語源・由来
「スタート」は英語の start から入った外来語です。
「切る」には、物を切断する意味のほかに、まっ先にある動作をするという使われ方があり、「スタートを切る」もその一つです。
もともと競走で出発することをいう表現ですが、そこから物事の開始にも広く使われるようになりました。
「スタートを切る」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜スタートを切る」
「好調な」「順調な」「最悪の」などを前に置き、始まりの状態を示します。「好調なスタートを切る」「順調なスタートを切った」などの形です。 - 「〜としてスタートを切る」
新しく始める立場や役割を「として」で示します。「社会人としてスタートを切る」「選手としてスタートを切った」などと使います。 - 「〜のスタートを切る」
「新生活」「シーズン」など、始まる事柄を「の」の前に置く形です。「新生活のスタートを切る」「シーズンのスタートを切った」などと使います。 - 「新たなスタートを切る」
転職、進学、再出発など、それまでとは異なる段階へ進むときによく用いられます。「新天地で新たなスタートを切る」「春から新たなスタートを切った」などの形です。
「スタートを切る」の例文
- 初めての全国大会だったが、チームは開幕から三連勝し、好調なスタートを切った。
- 大学を卒業した姉は、四月から地元の会社で社会人としてスタートを切る。
- 長年勤めた会社を退職した彼は、故郷へ戻って新たなスタートを切った。
「スタートを切る」の類似表現
第一歩を踏み出す(だいいっぽをふみだす)
新しい活動や人生の段階などを始める場面で使われます。
「第一歩を踏み出す」は、これから続く道の最初の一歩というイメージが強く、「夢への第一歩を踏み出す」のような形でも使えます。
幕を開ける(まくをあける)
芝居の幕を開けることから、物事を始める、または物事が始まる意味で使われます。
「大会が幕を開ける」のように、催しや時代などを主語にできる点が「スタートを切る」と異なります。
「スタートを切る」の古い用例
安藤更生『銀座細見』(1931年)には、「全くノルかソルかの投機的スタートを切ったのだった」という記述が記録されています。
競走そのものではなく、「一か八かの大勝負」のような行動を始める意味で使われており、昭和初期にはすでに物事の開始を表す比喩的な使われ方がされていました。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「スタートを切る」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「スタートを切る」項。
