レッテルを貼る
読み方:れってるをはる
「レッテルを貼る」の意味
人や物事について、一方的に性質や評価を決めつけることです。
相手を十分に理解しないまま「この人はこういう人だ」と決めつけて評価する場合に使われることが多く、否定的なニュアンスを伴います。
「レッテルを貼る」の語源・由来
「レッテル」は、オランダ語の「letter」に由来する外来語です。
日本では当初「文字」を指す言葉として取り入れられ、のちに商品名や商標、効能などを書いて商品に貼る紙片を指すようになりました。
商品にレッテルを貼って、その品物が何であるかを示すことから、人や物事に一定の評価を付けることにも「レッテル」がたとえられるようになりました。
「レッテルを貼る」は、このたとえから生まれた表現です。
「レッテルを貼る」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜にレッテルを貼る」
「〜」には、評価の対象となる人や集団、物事などが入ります。「新人にレッテルを貼る」「一つの失敗だけで彼にレッテルを貼る」などの形です。 - 「〜というレッテルを貼る」
どのような評価を与えるのかを「〜という」で具体的に示します。「怠け者というレッテルを貼る」「危険人物というレッテルを貼る」などと使います。 - 「〜のレッテルを貼られる」
受け身の形では、自分や対象が他人から一定の評価を付けられたことを表せます。「問題児のレッテルを貼られる」「時代遅れのレッテルを貼られた」などの形です。
「レッテルを貼る」の例文
- 一度の失敗だけで、彼に「仕事ができない人」とレッテルを貼るのは早すぎる。
- 新しい企画は前例がないという理由だけで、非現実的だとレッテルを貼られた。
- 子どもを成績だけで「優秀」「劣っている」とレッテルを貼って見ると、その子自身の長所を見落としかねない。
「レッテルを貼る」の類似表現
烙印を押す(らくいんをおす)
「烙印を押す」は、悪い評価や汚名を決定的なものとして負わせる場合に使われます。
「犯罪者の烙印を押される」のように、簡単には消えない強い評価を表すことが多く、「レッテルを貼る」より重い印象があります。
色眼鏡で見る(いろめがねでみる)
「色眼鏡で見る」は、先入観や偏見を持って相手を見ることをいいます。
評価そのものを付ける「レッテルを貼る」に対し、「色眼鏡で見る」は、偏った見方や判断のしかたを表すときに使われます。
「レッテルを貼る」の古い用例
「レッテル」という言葉は、大槻玄沢『蘭学階梯』の1783年の序を持つ本文に「レッテルは文字のことなり」という記録が残されています。
この段階では、オランダ語に由来する「文字」の意味で使われていました。
横山源之助『日本の下層社会』(1899年)には「レッテルを張るにも器械を使用し」とあり、明治時代には商品などに付ける紙片を「レッテル」と呼ぶ使い方が見られます。
立野信之『軍隊病』(1928年)には「このいまはしいレッテルは、私の額に、背中に、銃に、〈略〉至る所に貼られた」とあり、この時代には人物などに付けられる評価を「レッテル」にたとえる比喩的な使われ方が現れています。
福原麟太郎『春興倫敦子』(1935年)の「主知主義的会食」には、「主知主義といふレッテルをはられてゐる」という記述があります。
現在の「レッテルを貼る」とほぼ同じ形で、人に一定の評価を付ける意味に使われています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「レッテルを貼る」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「レッテル」「レッテルを貼る」項。
