ペテンに掛ける
読み方:ぺてんにかける
「ペテンに掛ける」の意味
巧みなうそや仕掛けを使って、人をだますことです。
単に間違ったことを伝えるのではなく、相手を意図的に欺くという否定的な意味を持ち、「ペテン」自体にも、いんちきや詐欺といった意味があります。
「ペテンに掛ける」の語源・由来
「ペテン」は、うそをついて人をだますことや、その手段を指す言葉です。
その語源については中国語に由来するという説がありますが、辞書でも「中国語からか」とされており、確定した語源としては扱われていません。
この「ペテン」に「掛ける」が結びついて、「ペテンという手段を用いて相手をだます」という形で「ペテンに掛ける」が使われるようになりました。
明治時代には、すでにこの言い回しが文献に現れています。
「ペテンに掛ける」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「人をペテンに掛ける」
だます相手を助詞「を」で示す基本的な形です。「客をペテンに掛ける」「相手をペテンに掛ける」などと使います。 - 「ペテンに掛けて〜」
人をだましたうえで何かをする場合に、後ろへ行為や結果を続けます。「ペテンに掛けて金を取る」「ペテンに掛けて契約させる」などの形です。 - 「ペテンに掛けられる」
だまされた側を主語にする受け身の形です。「業者にペテンに掛けられる」「まんまとペテンに掛けられた」などと使います。
「ペテンに掛ける」の例文
- 彼はうまい儲け話を信じ込み、悪質な業者にペテンに掛けられた。
- 人をペテンに掛けて金を巻き上げようとしても、いつかは不正が明るみに出る。
- 老人をペテンに掛けるような商売のやり方に、地域から批判が集まった。
「ペテンに掛ける」の類似表現
一杯食わせる(いっぱいくわせる)
相手をうまくだましたり、出し抜いたりする表現です。
「ペテンに掛ける」よりも意味の幅が広く、金銭目的の詐欺に限らず、計略で相手の裏をかいた場合にも使えます。
罠に掛ける(わなにかける)
相手をだますため、あらかじめ用意しておいた作戦(わな)に引っかけるときに使います。
「ペテンに掛ける」がうそやごまかしによる欺きを表しやすいのに対し、「罠に掛ける」は相手が逃れにくい状況を意図的に作ることにも使えます。
「ペテンに掛ける」の古い用例
河竹黙阿弥作の歌舞伎『天衣紛上野初花』は、1881年(明治14年)3月に新富座で初演され、作中には「ぺてんに掛けた二百両」という言い回しがあります。
ここでは、現在と同じ「人をだまして金を得る」という意味で「ぺてんに掛ける」が使われています。
少なくとも明治14年には、現在につながる言い方や使われ方が登場しています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「ペテンに掛ける」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「ペテン」「ペテンに掛ける」項。
- 国立劇場文化デジタルライブラリー「天衣紛上野初花」。
