大きな顔をする
読み方:おおきなかおをする
「大きな顔をする」の意味
無遠慮に威張ったり、偉そうな態度を取ったりすることです。
悪いことや非難されるようなことをしていながら、平然としている態度を指すこともあります。
どちらの意味でも、相手の態度を好ましくないものとしてとらえる響きがあります。
「大きな顔をする」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜で大きな顔をする/している」
「で」の前には、職場や学校、地域、集団など、その人が威張って振る舞う場所や範囲が入ります。「職場で大きな顔をする」「町内で大きな顔をしている」などの形です。 - 「大きな顔をして〜」
後ろに動作を続け、偉そうに、または悪びれずにその行動をしていることを表します。「大きな顔をして居座る」「大きな顔をして会議に出る」などと使います。 - 「〜に大きな顔をされる」
受け身にすると、相手から偉そうな態度を取られて迷惑に感じていることを表しやすくなります。「新人に大きな顔をされる」「部外者に大きな顔をされる」などの形です。 - 「大きな顔をするな」
威張った態度を取る相手を直接たしなめる形です。「ここで大きな顔をするな」「少し成功したくらいで大きな顔をするな」などと使います。
「大きな顔をする」の例文
- 配属されたばかりなのに、彼は先輩たちにまで指図し、職場で大きな顔をしている。
- 規則を破った本人が謝りもせず、大きな顔をして会議に出てきたので、周囲はあきれた。
- 少し資金を出しただけの人に大きな顔をされて、現場の判断にまで口を出されるのは困る。
「大きな顔をする」の類似表現
幅を利かせる(はばをきかせる)
ある集団や分野で、自分の力や影響力を振るって思うがままに振る舞うことをいいます。
「大きな顔をする」が態度そのものを批判する表現なのに対し、「幅を利かせる」は、その人が実際に持っている勢力や影響力にも目が向く表現です。
また、「大きな顔をする」にある「悪いことをしたのに平然としている」という意味では、通常「幅を利かせる」に置き換えられません。
大きな口をきく(おおきなくちをきく)
身のほどをわきまえず、偉そうなことや大げさなことを言う場合に使います。
「大きな顔をする」が顔つきや振る舞いを含む態度全体に使えるのに対し、「大きな口をきく」は発言や物の言い方に限って使われます。
「大きな顔をする」の古い用例
1677年の俳諧『宗因七百韵』には、「大きな顔して所の目代」という記述が見られます。
現在の「大きな顔をして」に近く、17世紀後半にはすでに威張った態度を表す使われ方がありました。
国木田独歩の『女難』(1903年)には、「大きな面をして」という記述があります。
「顔」の代わりに「面(つら)」を用いる言い方も、明治時代に使われていました。
「大きな顔をする」の間違いやすい使い方・表記
慣用句として一般的なのは「大きな顔をする」です。
「大きい顔」は、顔そのものの寸法が大きいという文字どおりの意味にもなるため、慣用的な表現では「大きな」が強く定着しています。
佐々木文彦による文学作品の用例調査では、態度が大きいという意味の24例のうち22例が「大きな顔」で、「大きい顔」は同じ作家による2例でした。「大きい顔をする」という比喩的な言い回しも実在しますが、通常は「大きな顔をする」を選ぶ方がいいでしょう。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「大きな顔をする」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「大きな顔」項。
- 佐々木文彦「『大きい声』と『大きな声』」『明海日本語』第7号、2002年。
