似たり寄ったり
読み方:にたりよったり
「似たり寄ったり」の意味
二つ以上のものを比べたとき、程度や内容、優劣などに大した違いがないことです。
特に、どれを選んでも大差がなく、これといって抜きん出たものがない場合によく使われます。
「似たり寄ったり」の語源・由来
「似たり寄ったり」は、「似たりたる者が寄りたり」という言い回しが縮まって「似たり寄りたり」となり、さらに「寄りたり」が「寄ったり」へ変化したものとする説があります。
似ているもの同士が集まっているという表現から、互いに大きな違いがないことをいう形になったとされています。
「似たり寄ったり」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「どれも似たり寄ったりだ」
複数のものをまとめて比べるときの形です。「どの商品も似たり寄ったりだ」「候補はどれも似たり寄ったりだ」などと使います。 - 「AもBも似たり寄ったりだ」
二つ以上のものを並べ、その間に大きな差がないことを示します。「兄も弟も似たり寄ったりだ」「こちらもあちらも似たり寄ったりだ」などの形です。 - 「似たり寄ったりの〜」
後ろに「内容」「出来」「値段」などの名詞を続けます。「似たり寄ったりの内容」「似たり寄ったりの出来ばえ」などと使います。 - 「似たり寄ったりな〜」
名詞を修飾するときは「な」を使う形もあります。「似たり寄ったりな成績」「似たり寄ったりな条件」などと続けます。
「似たり寄ったり」の例文
- 三社から見積もりを取ったが、金額はどこも似たり寄ったりで、サービス内容を見て決めることにした。
- 決勝に残った選手は実力が似たり寄ったりなので、当日の調子が勝敗を左右しそうだ。
- 店頭には似たり寄ったりの商品が並んでいたが、その中で一つだけ使いやすそうなものを見つけた。
「似たり寄ったり」の類似表現
大同小異(だいどうしょうい)
細かな違いはあっても、全体としてはほぼ同じであることをいいます。
「似たり寄ったり」より改まった表現で、文章や議論でも使いやすい言葉です。
どんぐりの背比べ(どんぐりのせいくらべ)
どれも同じくらいで、特に優れたものがない場合に使います。
「似たり寄ったり」よりも、比較するものの水準があまり高くないという評価を含みやすい表現です。
「似たり寄ったり」の古い用例
夏目漱石『坊っちゃん』には、「新聞にかかれるのと、泥鼈に食いつかれるとが似たり寄ったりだ」という記述があります。
同作が初めて世に出たのは、1906年(明治39年)4月の『ホトトギス』です。
ここでは二つの事柄を「AとBが似たり寄ったりだ」という形で比べています。
明治時代末期には、現在と同じ「両者に大した違いがない」という言い回しで使われていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「似たり寄ったり」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 夏目漱石『坊っちゃん』、初出『ホトトギス』、1906年4月。
- 『ルーツでなるほど慣用句辞典』「似たり寄ったり」項。
