明けても暮れても
読み方:あけてもくれても
「明けても暮れても」の意味
毎日毎日、同じことを繰り返したり、同じ状態が続いたりする様子を表します。
「飽きもせず、いつも同じことをしている」というやや否定的な気持ちを伴うことがあり、よいことをほめる場合にはあまり使われません。
「明けても暮れても」の語源・由来
「夜が明けても、日が暮れても」という意味から生まれた表現です。
朝になっても夕方になっても同じことが続くところから、一日だけでなく、毎日のように同じことを続ける意味になりました。
「〜ても〜ても」と二つの言葉を重ねる形は、どちらの場合にも状態が変わらないことを示します。
この形が「明けても暮れても」として定着しています。
「明けても暮れても」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「明けても暮れても〜する」
後ろに動作を表す言葉を続け、同じことを毎日のように繰り返すことを表します。「明けても暮れても練習する」「明けても暮れても働く」などの形です。 - 「明けても暮れても〜ばかり」
特定の話題や行動に偏っていることを強調する形です。「明けても暮れても仕事の話ばかり」「明けても暮れてもゲームばかり」などと使います。 - 「明けても暮れても〜のことを考える」
ある人や物事が絶えず頭にある場合に使います。「明けても暮れても試合のことを考える」「明けても暮れても彼女のことを考える」などの形です。
「明けても暮れても」の例文
- 弟は新しいゲームに夢中で、夏休み中は明けても暮れても画面に向かっていた。
- 大会が近づくにつれ、彼女の頭には明けても暮れても次の試合のことしかなかった。
- 入社したばかりのころは、明けても暮れても仕事の話ばかりする先輩に少し驚いた。
「明けても暮れても」の類似表現
寝ても覚めても(ねてもさめても)
ある人や物事がいつも頭から離れない場合によく使われます。
恋愛や強い関心、願望などについて「寝ても覚めても彼のことを考える」のように使うことが多く、「明けても暮れても」より心が一つのことに占められているイメージが強く出やすい表現です。
年がら年中(ねんがらねんじゅう)
一年を通していつも、という期間の長さを表す言葉です。
「年がら年中暖かい」「年がら年中忙しい」のように状態についても広く使えます。
「明けても暮れても」は、同じ行動や話題が繰り返される場合に特に使いやすい表現です。
「明けても暮れても」の古い用例
「明けても暮れても」は古くから使われており、1603~1604年に出版された『日葡辞書』にも記録されています。
少なくとも江戸時代初期には、すでに定着した表現だったことが分かります。
寛永16年(1639)刊の『吉利支丹物語』には、「利潤売買世智辨なる事ばかりを明ても暮てもみつだんす」という記述があります。
利益や商売に関することばかりを絶えず相談するという文脈で、「明ても暮ても」が現在と同じく、同じことをいつも繰り返す意味で使われています。
表記は「明ても暮ても」で、現在より送り仮名が少ない形です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「明けても暮れても」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「明ても暮れても」項。
- 『吉利支丹物語』2巻、寛永16年(1639)刊。
