相も変わらず|意味・使い方・例文
読み方: あいもかわらず
意味: 以前と少しも変わらず、同じ状態や行動が続いているさま。
「相も変わらず」の意味
「相も変わらず」は、「相変わらず」を強めた言い方です。以前から同じ状態が続いていることに対して、「いつまでたっても変わらない」という気持ちが込められます。
人の態度や習慣について使うと、変化や進歩が見られないことへの軽いあきれがにじみます。自分について使う場合は、変わりばえのしない様子を苦笑まじりに語る表現になります。
「相も変わらず」の使い方
「相も変わらず遅刻する」「相も変わらず同じ話をしている」のように、後ろに動作や状態を続けます。
人の習慣や態度だけでなく、「道路は相も変わらず混雑している」「店内は相も変わらずにぎわっている」のように、以前から変化していない状況についても使えます。
名詞を直接修飾する場合には、「相も変わらぬ態度」「相も変わらぬ毎日」のように、「相も変わらぬ」の形も使われます。
あきれや皮肉を帯びやすいため、目上の人に「相も変わらずお元気ですね」と言うのは適切ではありません。好意的に変わらない様子を伝えるなら、「相変わらずお元気ですね」のほうが穏やかです。
「相も変わらず」の例文
- 彼は相も変わらず、会議が始まる直前になって資料を作っています。
- 駅前はすっかり新しくなりましたが、朝の混雑だけは相も変わらずです。
- 私は相も変わらず方向音痴で、初めて訪れる場所ではすぐに道に迷ってしまいます。
「相も変わらず」の類似表現
相変わらず(あいかわらず)
「相変わらず」は、良い状態にも悪い状態にも使いやすい表現です。「相変わらず元気だ」「相変わらず仕事が早い」のように、好ましい状態が続いている場合にも自然に使えます。
「相も変わらず」は変化がないことをさらに強く示し、相手へのあきれや、自分の変わらなさを笑う気持ちが加わりやすくなります。
依然として(いぜんとして)
「依然として」は、以前の状態がそのまま続いていることを、客観的に述べるときに使います。「問題は依然として解決していない」「原因は依然として分からない」のように、改まった文章や報道でも用いられます。
「相も変わらず」には話し手の感情が表れやすいのに対し、「依然として」は状態の継続に重点を置いた表現です。
「相」は何を表している?
「相も変わらず」の「相」は、人相や姿を指しているのではありません。ここでは動詞の前に付いて、言葉の勢いや調子を整える接頭語です。「相成る」「相済まない」などの「相」と同じ使い方です。
「相変わらず」に助詞の「も」が加わることで、少しも変化していないことが強調されています。
「相も変わらず」の古い用例
江戸時代後期の人情本『恩愛二葉草』には、1834年の用例として「相も変らず口先でお欺しならば」という表現が見られます。言葉だけで相手を欺く態度が以前と変わっていないことを責める場面です。
徳富蘆花の小説『不如帰』には、「相も変わらず肥えに肥えたる川島未亡人」という一節があります。以前と変わらない人物の外見を、皮肉を交えて描いた用例です。同作は1898年から翌年にかけて『国民新聞』に連載されました。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「相も変わらず」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 徳富蘆花『小説 不如帰』岩波書店、1938年。