気が利く
読み方:きがきく
「気が利く」の意味
細かなところまでよく気づき、その場に応じて適切な配慮や対応ができることを意味し、人をほめる言葉として使われることが多い慣用句です。
しゃれている、工夫があって感じがよいという意味もあります。
「気が利く」の語源・由来
「利く」は、ここでは「十分な働きをする」という意味です。
「気」は心の働きや注意を指し、それが十分に働くという形から、心配りや機転についていう表現として使われてきました。
「気が利く」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「人が気が利く」
人を主語にして、その人の心配りや対応を評価する形です。「彼は気が利く」「あの店員はよく気が利く」などと使います。 - 「気の利いた〜」
名詞の前に置き、しゃれているものや、ちょっとした工夫のあるものについて使います。「気の利いた贈り物」「気の利いたひと言」などの形です。 - 「気が利かない」
否定形では、必要なところに気づかなかったり、配慮が足りなかったりすることをいいます。「どうも気が利かない」「気が利かない人」などと使います。
「気が利く」の例文
- 新しく入った店員は、お客さんが困っているとすぐに声をかける、とても気が利く人です。
- 友人は送別会の最後に、参加者全員が楽しめる気の利いた贈り物を用意していました。
- 来客があるのにお茶の準備もしない弟を見て、母は「もう少し気が利かないの」と声をかけました。
「気が利く」の類似表現
気が付く(きがつく)
「気が付く」は、見落としや変化などに気づくことにも広く使えます。
気づいたあとに相手へ配慮したり、適切に行動したりすることまでは必ずしも含みません。
気転が利く(きてんがきく)
「気転が利く」は、予想外の出来事などに対して、とっさに適切な判断や行動ができることについて使われます。
「気が利く」と使われ方は重なりますが、その場で素早く頭を働かせる場合に特に適した表現です。
「気が利く」の古い用例
17世紀初めごろの『甲陽軍鑑』には、「機のきいたる男」という記述があります。
「気」ではなく「機」と表記され、「機のきいたる」という後ろの言葉につなげる形で使われています。
細かな状況を察して機敏に動く人について用いられた言い方です。
十返舎一九『東海道中膝栗毛』初編(1802年)には、江戸者の女性について「気がきいていらア」という言い方が出てきます。
この記述は、しゃれている、粋であるという意味で使われており、19世紀初めには現在にも残るもう一つの使われ方が見られます。
「気が利く」の間違いやすい使い方・表記
「きく」は、一般に「気が利く」と「利」の字を使います。
「利く」には、能力や機能が十分に働くという意味があり、「気が効く」とは書きません。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「気が利く」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「気が利く」項。
