下駄を預かる
読み方:げたをあずかる
「下駄を預かる」の意味
ある問題について、処理の方法や判断、責任などを相手から一任されることです。
自分の判断で処理できる立場を与えられるだけでなく、その結果について一定の責任を引き受ける意味合いがあります。
「下駄を預ける」が任せる側からいう表現なのに対し、「下駄を預かる」は任される側からいう表現です。
「下駄を預かる」の語源・由来
「下駄を預かる」は、古くから使われている慣用句「下駄を預ける」を、物事を任された側から表した形です。
「下駄を預ける」には、問題の処理方法や責任、決断などを他人に一任する意味があります。
「下駄を預ける」の慣用的な使い方は近世までさかのぼり、『精選版 日本国語大辞典』には1692年の浄瑠璃『天智天皇』の記述が残されています。
「下駄を預かる」では、この関係を逆の立場からとらえ、委ねられた側が主語になる形です。
「下駄を預かる」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「人から下駄を預かる」
「から」の前には、判断や処理を任せる人が入ります。「社長から下駄を預かる」「依頼人から下駄を預かる」などの形です。 - 「下駄を預かって〜」
任された立場で、その後の処理や交渉を行う場合に使えます。「下駄を預かって交渉する」「下駄を預かって条件を詰める」などと続けます。 - 「下駄を預かった以上〜」
一任されたことに伴う責任や行動を述べる形です。「下駄を預かった以上、結論を出す」「下駄を預かった以上、責任を持つ」などと使います。 - 「下駄を預かることになる」
経緯の結果として、判断を任される立場になったことを表せます。「私が下駄を預かることになった」「最後は部長が下駄を預かることになる」などの形です。
「下駄を預かる」の例文
- 社長から下駄を預かった以上、条件交渉の最終判断は私が責任を持って行います。
- 双方が主張を譲らなかったため、調停役の委員長が下駄を預かり、妥協案をまとめることになりました。
- 担当者だけでは結論を出せなくなり、最後は本部長が下駄を預かる形で方針を決めました。
「下駄を預かる」の類似表現
下駄を預ける(げたをあずける)
同じ出来事を反対側の立場から述べる表現です。
「下駄を預ける」では、処理や責任を任せる側が主語になります。
「社長が部長に下駄を預ける」と「部長が社長から下駄を預かる」では、誰の立場から述べるかが異なります。
一任される(いちにんされる)
「一任される」は、判断や処理を全面的に任されることを直接表す言葉で、仕事や公的な場面でも使いやすい表現です。
「下駄を預かる」は慣用的な言い回しなので、少しくだけた文章や会話にもなじみます。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「下駄を預かる」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「下駄を預ける」項。
