愛想を尽かす|意味・使い方・例文
読み方: あいそをつかす
意味: 相手の言動にあきれ、それまで抱いていた好意や信頼を失って見限ること。
「愛想を尽かす」の意味
一時的に腹を立てた場面ではなく、失望や不満が重なり、「もう期待できない」「これ以上は付き合いきれない」と感じたときに使います。
もともと相手に好意や信頼を寄せていたものの、その気持ちを保てなくなった状態を表す言葉です。
「愛想を尽かす」の使い方
「無責任な夫に愛想を尽かす」「何度も約束を破る友人に愛想を尽かす」のように、好意や信頼を失わせた相手を助詞の「に」で示します。
人だけでなく、「会社に愛想を尽かして退職する」のように、信頼や愛着を持っていた会社や組織に対しても使われます。
自分が相手を見限る場合は「相手に愛想を尽かす」、相手から見限られる場合は「相手に愛想を尽かされる」と表現します。
「愛想を尽かす」の例文
- 何度注意しても同じうそを繰り返す友人に、とうとう愛想を尽かした。
- 社員の意見をまったく聞かない会社に愛想を尽かし、彼女は転職を決めた。
- 家族に頼ってばかりいたため、ついには両親から愛想を尽かされてしまった。
「愛想を尽かす」の類似表現
愛想が尽きる(あいそがつきる)
「愛想が尽きる」は、相手に対する好意や信頼がすっかりなくなることを表し、「愛想を尽かす」と意味はほぼ同じです。
「彼に愛想を尽かした」と「彼には愛想が尽きた」のように、文の組み立て方が異なります。「愛想を尽かす」は人が相手を見限る形、「愛想が尽きる」は好意や信頼がなくなった状態を表す形です。ただし、実際の使用場面で意味を明確に区別する必要はありません。
見限る(みかぎる)
「見限る」は、相手や物事に見込みがないと判断し、期待することをやめるという意味です。
「愛想を尽かす」は好意や信頼を失う気持ちに重点がありますが、「見限る」は能力や将来性を判断して、これ以上は期待できないと考える場面にも使えます。
「愛想」とはどのような意味?
「愛想を尽かす」の「愛想」は、人当たりのよい態度ではなく、相手に対する親しみ、好意、信頼を指します。
つまり、「愛想を尽かす」は、相手に向けていた好意や信頼をすべて失うことを表した言い方です。
「愛想を尽かす」の古い用例
「あいそをつかす」という形は、江戸時代前期の1678年に刊行された評判記『色道大鏡』に用例が見られます。ある男に対して好意を失い、離れていったことを「あいそをつかしてのき切けり」と表現しています。
夏目漱石も、1908年発表の「文鳥」で、話しかけても曖昧な返事を続ける人物について、「おおかた頬杖に愛想を尽かしたんだろう」と書いています。相手の態度にあきれ、話す気をなくした様子を、ユーモアを交えて表した用例です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「愛想を尽かす」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 夏目漱石「文鳥」『夏目漱石全集10』ちくま文庫、筑摩書房、1988年。