読み方:ゆいいつむに

「唯一無二」の意味

「唯一無二」とは、ただ一つだけで、同じものや並ぶものがほかにないことです。

人や物だけでなく、才能、価値、方法、作品などについても使われ、かけがえのなさや特別さを表すことがあります。

「唯一無二」の語源・由来

「唯一」と「無二」という、どちらも「ただ一つで、二つとない」という意味を持つ語を重ねて、意味を強めた表現です。

特定の故事をもとにした四字熟語ではなく、現在の「唯一無二」という四字の形がいつ成立したのかは明確ではありません。

「唯一無二」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「唯一無二の〜」
    後ろに「存在」「作品」「技術」「価値」などを続けます。「唯一無二の存在」「唯一無二の技術」などの形です。
  • 「〜は唯一無二だ」
    人や物、特徴などについて言い切る形です。「この音色は唯一無二だ」「彼の作風は唯一無二だ」などと使います。

「唯一無二」の例文

  • 祖父が一つ一つ手作りしたこの家具は、家族にとって唯一無二の品です。
  • 長年の経験から生まれた彼女の表現力は、同じ分野の中でも唯一無二だと評価されています。
  • この地域に残された古文書は、当時の暮らしを知るための唯一無二の資料となっています。

「唯一無二」の類似表現

唯一不二(ゆいいつふじ)

意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。

「不二」も、二つではないことから、同じものがほかにないことを表します。

無二無三(むにむさん)

「ただ一つで、ほかに類がない」という意味では共通します。

ただし、「無二無三」には「わき目もふらず、一途に」という別の意味もあり、「無二無三に走る」のような使い方もあります。

「唯一無二」の古い用例

1932年(昭和7年)の『鐵と鋼』第18年第7号に収められた、鈴木武志「販売旬報第200号に題す」には、国内市場の奪還について

「當時吾等の唯一無二の目標であつた」

とあります。

「唯一無二の+名詞」という、現在にも続く形で「ほかにはない一つだけの目標」を表しています。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「唯一無二」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「唯一無二」項。
  • 鈴木武志「販売旬報第200号に題す」『鐵と鋼』第18年第7号、日本鉄鋼協会、1932年。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。