読み方:さいしょくけんび

「才色兼備」の意味

「才色兼備」とは、女性が優れた才能と美しい容姿の両方を備えていることです。

人物をほめる言葉として使われます。

「才色兼備」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「才色兼備の〜」
    後ろに「女性」「人物」などを続けます。「才色兼備の女性」「才色兼備の人物」などの形です。
  • 「〜は才色兼備だ」
    人を主語にして、その人について述べます。「彼女は才色兼備だ」などと使います。
  • 「才色兼備と評される」
    周囲からそのような評価を受けていることを示します。「才色兼備と評される研究者」などの形です。

「才色兼備」の例文

  • 学業でも芸術でも高い評価を受けている彼女は、まさに才色兼備です。
  • 若くして会社を経営する彼女は、その華やかな容姿もあって才色兼備の女性として知られています。
  • 祖母は若いころ、学問にも芸事にも秀でた才色兼備の人だったそうです。

「才色兼備」の類似表現

才貌両全(さいぼうりょうぜん)

才能と美しい容姿の両方を備えていることをいい、「才色兼備」と意味はほぼ同じです。

「貌」は容貌を表します。

秀外恵中(しゅうがいけいちゅう)

容姿が美しく、内面も賢いこと、または心が優れていることをいいます。

「才色兼備」が才能と容姿を組み合わせるのに対し、「秀外恵中」は外見と内面を対にした表現です。

「才色兼備」を構成する言葉の意味

「才色」は、才知と容色、すなわち優れた能力と美しい顔かたちを表す言葉です。

日本では『続日本紀』の神護景雲2年(768)の記事に「才色」の用例があり、「さいしき」「さいそく」という読みもあります。

「兼備」は、二つ以上の長所などをあわせ持つことです。

「兼ね備える」の「兼備」に当たります。

「才色兼備」の古い用例

坪内逍遥の『小説神髄』下巻には、

「才色兼備にして且つ善良なる人物を常に主人公となすを要せず。」

とあります。

「才色兼備にして」と後ろへ文を続ける形で使われています。

同書下巻の明治19年(1886)刊本が残っており、明治期には現在と同じ「才色兼備」の四字の形が使われていたことが分かります。

なお、『精選版 日本国語大辞典』には、木下尚江『火の柱』(1904年)の「才色兼備の良婦」が初出例として収録されています。

こちらでは「才色兼備の〜」という、現在にもよく見られる形で用いられています。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「才色兼備」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「才色兼備」「才色」「兼備」項。
  • 坪内逍遥『小説神髄』下巻、松月堂、1886年。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。