読み方:かないあんぜん

「家内安全」の意味

家族が事故や病気などに遭わず、無事息災であることです。

「家内安全」の語源・由来

「家内」は、家の中だけでなく「家族・家人」を意味して古くから使われてきた語です。

「安全」は「危険がなく、平穏無事であること」を表します。

これらが結びついた語ですが、現在の四字形の成立時期を特定できる原典や、この表現のもとになった特定の故事は明らかではありません。

「家内安全」の使い方

次のような形で使われます。

  • 「家内安全を祈る/願う」
    後ろに「祈る」「願う」などを続けます。「家内安全を祈る」「家内安全を願う」などの形です。
  • 「家内安全の〜」
    後ろに「祈祷」「お札」「お守り」などを続けます。「家内安全の祈祷」「家内安全のお札」などと使います。

「家内安全」の例文

  • 新年には家族で氏神さまへ参拝し、家内安全を祈っています。
  • 父は引っ越しを機に、近くの神社で家内安全の祈祷を受けました。
  • 秋祭りでは、五穀豊穣と家内安全を願って多くの人が神前に手を合わせました。

「家内安全」の類似表現

無病息災(むびょうそくさい)

病気をせず健康で過ごすことを中心にいう表現です。

個人についても使えるのに対し、「家内安全」は一家・家族全体を対象とします。

家庭円満(かていえんまん)

家族の仲がよく、家庭内の関係が穏やかであることをいいます。

家族関係の調和をいうため、事故や病気を避けるという範囲までは直接含みません。

「家内安全」の古い用例

虎寛本狂言『禰宜山伏』に、

「於神前、御家内安全の祈念を致す事で御座る」

という用例があります。

虎寛本は寛政4年(1792年)に大蔵虎寛がまとめた台本で、この例では「御家内安全」が「祈念」の対象として置かれています。

近世には、神前で一家の無事を願う語として使われていたことが分かります。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「家内安全」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「家内安全」「家内」「安全」項。
  • 小林千草『幕末期狂言台本の総合的研究 大蔵流台本編』清文堂出版、2016年。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。