読み方:へいへいぼんぼん

「平平凡凡」の意味

「平平凡凡」とは、きわめてありふれていて、特に優れた点や変わった点がないさまを表す四字熟語です。

人、暮らし、人生、出来事などについて、ごく並みであることを強調するときに使います。

「平平凡凡」の語源・由来

「平凡」の「平」と「凡」をそれぞれ重ね、「平平凡凡」とすることで意味を強めた語です。

「平凡」よりも、ありふれている程度を強調した形になっています。

「平平凡凡」の使い方

次のような形で使われます。

  • 「平平凡凡な〜」
    後ろに「暮らし」「日々」「人物」などを続けます。「平平凡凡な毎日」などの形です。
  • 「平平凡凡たる〜」
    後ろに「市民」「人物」「人生」などを続けます。改まった文章では「平平凡凡たる一市民」のようにも使われます。
  • 「平平凡凡と〜」
    後ろに「暮らす」「過ごす」「生きる」などの動作を続けます。

「平平凡凡」の例文

  • 子どもが独立してから、夫婦は故郷で平平凡凡な暮らしを楽しんでいます。
  • 彼は平平凡凡たる一社員に見えましたが、現場では誰よりも頼りにされていました。
  • 大きな事件もなく、私たちは十年間を平平凡凡と過ごしてきました。

「平平凡凡」の類似表現

尋常一様(じんじょういちよう)

普通で、他と特別な違いがないことをいう表現です。

「尋常一様ではない」「尋常一様の努力ではない」のように、否定を伴って「並大抵ではない」という意味を表す使い方も目立ちます。

無声無臭(むせいむしゅう)

人に気づかれないほど目立たないことや、物事にほとんど影響を与えないことを表します。

「普通であること」よりも、「存在や働きが目立たないこと」に重きを置く点で使い分けられます。

「平平凡凡」の古い用例

日本語では、明治16~17年(1883~1884年)刊の、ジュール・ヴェルヌ著・井上勤訳『亜非利加内地三十五日間空中旅行』に

「平々凡々」

の用例があります。

「事柄」を修飾する形で用いられており、明治前期にはすでに「きわめて平凡」という意味で使われていました。

同書は1883年9月から1884年2月にかけて刊行されています。

明治41年(1908年)刊の永井荷風『あめりか物語』には

「平々凡々たる良民」

という用例があります。

この時期には、「たる」を伴って人物を修飾する使い方も文献上に見られます。

「平平凡凡」の間違いやすい使い方・表記

「平平凡凡」は「平々凡々」とも書きます。

「々」は直前の漢字を繰り返すことを示すため、「平々凡々」と「平平凡凡」は同じ語を表す表記です。

近代文学でも「平々凡々」の形が広く使われています。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「平平凡凡」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「平平凡凡」項。
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』「平平凡凡」項。
  • 国立国会図書館サーチ『亜非利加内地三十五日間空中旅行 巻1-7』書誌情報。
  • 国立国会図書館サーチ『あめりか物語』書誌情報。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。