創意工夫
読み方:そういくふう
「創意工夫」の意味
いろいろと考えをめぐらせ、新しい方法や手段を考え出すことです。
また、そこから生まれた新しい意見や方法そのものを指すこともあります。
「創意工夫」の語源・由来
「創意工夫」は、特定の一つの故事から生まれた四字熟語ではありません。
「創意」と「工夫」が結び付いてできた語ですが、現在の四字の形がいつ成立したのかは明確ではありません。
「創意」という二字語は、中国・後漢の王充が著した『論衡』「超奇」に見られます。
そこには孔子について「及其立義創意」とあり、自ら新しい考えを生み出すという意味で「創意」が使われています。
ただし、この箇所に現在の「創意工夫」という四字の並びはありません。
「創意工夫」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜に創意工夫を凝らす」
「〜」には、工夫を加える対象を入れます。「展示に創意工夫を凝らす」「商品の包装に創意工夫を凝らす」などの形です。 - 「創意工夫を重ねる」
改善や試行を何度も続ける場合に使います。「現場で創意工夫を重ねる」などと続けます。 - 「創意工夫する」
「創意工夫」をそのまま動作として表す形です。「限られた材料で創意工夫する」などと使います。 - 「創意工夫が求められる」
新しい方法を考える必要がある場面で使います。「地域ごとの創意工夫が求められる」などの形です。
「創意工夫」の例文
- 文化祭の展示では、限られた材料を生かして各班が創意工夫を凝らしました。
- 工場では作業手順を見直しながら創意工夫を重ね、安全性と効率を高めています。
- 少ない予算で催しを充実させるには、担当者一人ひとりが創意工夫する必要があります。
「創意工夫」の類似表現
意匠惨憺(いしょうさんたん)
物事を考案するために苦心することをいいます。
「創意工夫」が仕事、生活、技術など広い場面で使えるのに対し、「意匠惨憺」は考案する際の苦労や思い悩む様子を強く含む表現です。
「創意工夫」の古い用例
1942年(昭和17年)刊行の大政翼賛会宣伝部編『武器なき戦ひ』には、
「創意工夫に努め」
という用例があります。
「創意工夫」が戦後に生まれた語ではなく、少なくとも昭和戦前期には四字の形で使われていたことが分かります。
翌1943年には、図画工作研究所編著『創意工夫事典』が刊行されています。
書名そのものに「創意工夫」が使われており、この時期には教育や技術に関わる語としても定着していたことを示す資料です。
太宰治の「やんぬる哉」には、
「細君の創意工夫の独特の味が付いています」
という表現があります。
同作は『月刊読売』1946年3月号に発表されたもので、「創意工夫の〜」と後ろの名詞につなげる使い方が見られます。
臼井吉見の「伐木隊長手記」(1952年)では、
「創意工夫すればするほど」
という形が使われています。
この時点では「創意工夫する」と動詞として活用する用法も文献上に見られます。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「創意工夫」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「創意工夫」「創意」「工夫」項。
- 王充『論衡』「超奇」。
- 大政翼賛会宣伝部編『武器なき戦ひ』翼賛図書刊行会、1942年。
- 図画工作研究所編著『創意工夫事典』図画工作、1943年。
- 太宰治「やんぬる哉」『月刊読売』、1946年3月。
- 臼井吉見「伐木隊長手記」、1952年。
