三日天下
読み方:みっかてんか(みっかでんか)
「三日天下」の意味
きわめて短い間しか権力や地位を保てないことです。
政権や役職だけでなく、競争で得た首位や王者の座などがすぐに失われた場合にも使われます。
「三日天下」の語源・由来
戦国武将の明智光秀に由来する表現です。
天正10年(1582)6月2日、光秀は本能寺の変で織田信長を討ちましたが、同月13日の山崎の戦いで羽柴秀吉に敗れました。
この非常に短かった光秀の権勢を「三日天下」と呼ぶようになりました。
ここでいう「三日」は、実際に三日間だったという意味ではなく、ごく短い期間を表しています。
中国古典の句から生まれた四字熟語ではなく、日本史上の出来事を背景に成立した表現です。
現在の「三日天下」という四字の形がいつ成立したのかは、はっきりしていません。
「三日天下」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜は三日天下に終わる」
短期間で地位や優位を失ったことを述べる形です。「政権は三日天下に終わる」「首位は三日天下に終わる」などと使います。 - 「〜の三日天下」
人物などの名前につなげ、その人が権力や優位を保った短い期間を指します。「新社長の三日天下」「王者の三日天下」などの形です。
「三日天下」の例文
- 新しい政権は発足直後に連立が崩れ、三日天下に終わりました。
- チームは念願の首位に立ったものの、次の試合で敗れて三日天下でした。
- 社長に就任した彼は一か月もたたないうちに解任され、その三日天下は幕を閉じました。
「三日天下」の類似表現
三日大名(みっかだいみょう)
意味はほぼ同じで、短い間だけ高い地位や権力を得ることをいいます。
「三日天下」の言い換えとして使える場合が多い表現です。
「三日天下」の古い用例
大正11年(1922)1月24日の『大阪朝日新聞』には、「梁氏の三日天下」という見出しの記事があります。
明智光秀ではなく当時の中国政治を扱った記事に使われており、この時期にはすでに、短期間で終わる権勢を広くたとえる表現として用いられていました。
「三日天下」の間違いやすい使い方・表記
「三日」は文字どおりの三日間に限りません。
数週間や数か月であっても、その地位や権力の存続期間がきわめて短いととらえられる場合には「三日天下」と表現できます。
また、「みっかてんか」のほかに「みっかでんか」という読み方もあります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「三日天下」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「三日天下」項。
- 日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』「三日天下」。
- 日本芸術文化振興会「絵本太功記・夏祭浪花鑑―山崎の戦い」。
- 『大阪朝日新聞』1922年1月24日「梁氏の三日天下―辞表は聴許されようが―例によって後継内閣難」、神戸大学経済経営研究所新聞記事文庫。
