読み方:つじつまがあう

「辻褄が合う」の意味

話や物事の前後に矛盾がなく、筋道や理屈がきちんと通ることです。

「辻褄が合う」の語源・由来

「辻褄」の「辻」は、裁縫で縫い目が十文字に合うところ、「褄」は着物の裾の左右が合うところを指します。

どちらもきちんと合うことが求められる部分であることから、「辻褄」は物事の道理や筋道を指すようになりました。

そこから、前後の筋道がきちんと一致することを「辻褄が合う」といいます。

「辻褄が合う」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「〜の辻褄が合う」
    「〜」には、話、説明、証言など、内容の前後関係を問題にできるものが入ります。「話の辻褄が合う」「説明の辻褄が合う」などの形です。
  • 「〜と辻褄が合う」
    ある事柄が、別の情報や事実と矛盾しないことをいう形です。「記録と辻褄が合う」「証言と辻褄が合う」などと使います。
  • 「辻褄が合わない」
    否定形は特によく使われ、話の前後などに食い違いがあることを示します。「どうも辻褄が合わない」「説明の辻褄が合わない」などの形です。
  • 「辻褄が合っている」
    筋道が通った状態であることをいう形です。「話の辻褄が合っている」「数字の辻褄が合っている」などと使います。

「辻褄が合う」の例文

  • 防犯カメラの記録を調べると、目撃者の証言と辻褄が合った
  • 報告書を読み返してみたが、前半と後半で辻褄が合わない箇所がいくつかあった。
  • 新しい資料が見つかったことで、これまで不明だった出来事の辻褄が合ってきた

「辻褄が合う」の類似表現

筋が通る(すじがとおる)

考え方や主張が道理にかなっていることについて広く使えます。

「辻褄が合う」は、話の前後や複数の事実が食い違わず、一致しているかどうかを述べる場合に特に使いやすい表現です。

辻褄を合わせる(つじつまをあわせる)

「辻褄が合う」は自然に筋道が通っている状態をいうのに対し、「辻褄を合わせる」は、人が話や数字などを筋道の通る形に整えることをいいます。

後者には、あとから都合よく話を整えるという含みを持つ場合もあります。

「辻褄が合う」の古い用例

井原西鶴の俳諧集『西鶴大矢数』(1681年)第三五には、「辻つまあはぬ」という形の記述があります。

「あはぬ」は現在の「合わない」にあたり、17世紀後半には「辻褄が合わない」にあたる形が使われていました。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「辻褄が合う」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「辻褄」「辻褄が合う」項
ABOUT ME
北澤篤史
ことわざ学会理事。ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語・漢字熟語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。