読み方:そこがわれる

「底が割れる」の意味

隠していたことやうそ、本当の目的、話の結末などが相手に見破られてしまうことです。

推理小説や芝居などで、筋書きが早いうちに分かってしまう場合にも使います。

「底が割れる」の語源・由来

「底」には、表面からは見えにくい奥深いところや、物事の奥にある本質という意味があります。

「割れる」には、秘密など隠れていたものが明らかになるという使われ方があります。

そこから、奥に隠れていた本当のところが明らかになることを「底が割れる」と表すようになりました。

「割れる」は「犯人が割れる」「尻が割れる」などにも通じる使い方です。

「底が割れる」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「〜は底が割れる」
    うそや話、企みなどを話題として示す形です。「そんなうそはすぐ底が割れる」「その企みはいずれ底が割れる」などと使います。
  • 「底が割れる〜」
    後ろに「うそ」「話」などの名詞を続けます。「すぐ底が割れるうそ」「底が割れるような話」などの形です。
  • 「底が割れている」
    すでに真意や仕掛けなどを見抜かれている状態を示します。「その説明はもう底が割れている」「作戦の底が割れている」などと使います。

「底が割れる」の例文

  • もっともらしく説明していたが、数字に矛盾が多く、彼のうそはすぐに底が割れた
  • この推理劇は犯人を示す手掛かりが露骨で、第一幕のうちに底が割れてしまった
  • 相手はこちらの狙いをすでに知っているらしく、作戦は完全に底が割れている

「底が割れる」の類似表現

尻が割れる(しりがわれる)

「尻が割れる」は、隠していた悪事やたくらみが露見する場合によく使います。

「底が割れる」は対象がより広く、うそや本当の目的だけでなく、物語の筋が見抜かれる場合にも使えます。

ぼろを出す(ぼろをだす)

「ぼろを出す」は、言動などから隠していた欠点を自分で見せてしまうことをいいます。

「底が割れる」は、相手からうそや真意などを見抜かれることにも使える表現です。

「底が割れる」の古い用例

宇野浩二の「一と踊」(1921年)には、「底の割れてきさうな心配のある話」という記述が残されています。

1921年には、話の内容が見破られるという現在につながる表現方法が使われていました。

ここでは「底が」ではなく「底の割れて」という形です。

これは現在の「底が割れてきそうな話」にあたる表現で、「話」という言葉にうまくつなげるために、「底が」ではなく「底の」という言い方になっています。

「底が割れる」の間違いやすい使い方・表記

「底を割る」とは区別が必要です。

「底が割れる」が隠していたことを見破られることをいうのに対し、「底を割る」は、本当の気持ちを隠さず打ち明ける意味で「底を割って話す」などと使います。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「底が割れる」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「底が割れる」「底」「割れる」項。
ABOUT ME
北澤篤史
ことわざ学会理事。ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語・漢字熟語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。