大なり小なり
読み方:だいなりしょうなり
「大なり小なり」の意味
程度に大きい小さいの差はあっても、いずれにしても当てはまることを意味します。
「大きくても小さくても」「多かれ少なかれ」という意味で使われます。
「大なり小なり」の語源・由来
「大」と「小」という反対の語を並べた表現です。
「大きいにしろ小さいにしろ」という形から、大小や多少の違いを問わない言い方として用いられてきました。
詳しい成立過程は明らかになっていません。
数学では「大なり」「小なり」が不等号の読み方にも使われますが、慣用句の「大なり小なり」の語源を不等号に求める確かな根拠はありません。
「大なり小なり」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「大なり小なり+述語」
動詞や「ある」などの前に置き、程度には差があることを添えます。「大なり小なり影響を受ける」「大なり小なり違いがある」などの形です。 - 「大なり小なりの+名詞」
「の」を付けて名詞を修飾する形です。「大なり小なりの差」「大なり小なりの影響」などと使います。 - 「〜には大なり小なり…」
人や物事を「は」「には」などで取り上げ、その後に続けます。「人には大なり小なり欠点がある」「どの案にも大なり小なり問題がある」などの形です。
「大なり小なり」の例文
- 新しい環境に移れば、誰でも大なり小なり不安を感じるものです。
- この制度の変更は、地域の商店にも大なり小なり影響を与えるでしょう。
- 調査した五つの製品には大なり小なりの性能差があり、用途に応じて選ぶ必要があります。
「大なり小なり」の類似表現
多かれ少なかれ(おおかれすくなかれ)
意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。
「多かれ少なかれ」は数量や程度の多い少ないを対にした表現で、「大なり小なり」は大小を対にした表現です。
「大なり小なり」の古い用例
江戸時代前期の俳諧集『沙金袋』(1657年)には、光正の句として「年はとらふ大なり小なり今日の暮」とあります。
ここでは「大なり小なり」が現在と同じ言い回しで使われており、年長・年少にかかわらず、という趣旨を表しています。
17世紀半ばには、すでにこの形が使われていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「大なり小なり」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「大なり小なり」項。
