揚げ足を取る
読み方:あげあしをとる
「揚げ足を取る」の意味
人の言い間違いや言葉じりをとらえて、非難したり、からかったりすることを意味する慣用句です。
発言の内容そのものではなく、言葉の細かなところを問題にするという否定的な意味で使われます。
「揚げ足を取る」の語源・由来
「揚げ足」は、相撲や柔道などで宙に浮いた相手の足を指します。
技を掛けようとした相手の足を取って倒すことから、相手の言葉の隙をとらえて責める意味へと転じました。
「揚げ足を取る」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜の揚げ足を取る」
「〜」には、言葉の細かな点をとらえられる人が入ります。「相手の揚げ足を取る」「人の揚げ足を取る」などの形です。 - 「揚げ足を取られる」
自分の言い間違いや不用意な表現を相手から責められる場合には、受け身で使います。「議論で揚げ足を取られる」「言い間違えて揚げ足を取られた」などと使います。 - 「揚げ足を取るような〜」
後ろに「質問」「指摘」「言い方」などを続けます。「揚げ足を取るような質問」「揚げ足を取るような指摘」などの形です。 - 「揚げ足を取らないで/揚げ足を取るな」
相手に細かな言い間違いを問題にしないよう求めるときに使います。「いちいち揚げ足を取らないで」「そんなに揚げ足を取るな」などと言います。
「揚げ足を取る」の例文
- 会議では、言い間違いの揚げ足を取るよりも、提案の内容について話し合ってほしい。
- 彼は相手の発言を最後まで聞かず、ちょっとした言葉の違いを見つけては揚げ足を取っていた。
- 説明の途中で表現を少し間違えただけなのに、そこを揚げ足を取られて話が先に進まなかった。
「揚げ足を取る」の類似表現
論う(あげつらう)
「論う」には、物事の是非を論じる意味のほか、ささいな欠点などを取り立てて大げさに言うという意味があります。
「揚げ足を取る」が主に言い間違いや言葉じりをとらえる場合に使われるのに対し、「論う」は人の欠点や物事の問題点など、より広い対象に対して使えます。
重箱の隅をつつく(じゅうばこのすみをつつく)
どうでもよいような細かな点まで取り上げて、口出ししたり問題にしたりすることをいいます。
言葉の間違いに限らず、仕事の細部や規則、手順などについて細かく言う場合にも使えます。
「揚げ足を取る」の古い用例
安永8年(1779)序の中橋狸吉による洒落本『大通愛想尽』には、「かへってあげあしを取られ」という表現が使われてます。
江戸時代中期には、現在と同じく言葉の隙をとらえて責めるという意味で「あげあしを取る」が使われており、受け身の「あげあしを取られ」という言い方も見られます。
「揚げ足を取る」の間違いやすい使い方・表記
「揚げ足を取る」は、主に人の言い間違いや言葉じりをとらえる場合に使う表現です。
単に仕事で失敗した人を責めたり、行動上のミスを指摘したりするだけの場合には、本来の意味から外れてしまいます。
「揚げ足を取る」という言い回しで使うことが多く、「揚げ足」の「あげ」は、「上げ」ではなく「揚げ」と書きます。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「揚げ足を取る」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「揚足を取る」項。
- 早稲田大学図書館古典籍総合データベース「大通愛想尽 / 中橋狸吉 [撰]」。
