猫の額
読み方:ねこのひたい
「猫の額」の意味
土地や場所の面積が非常に狭いことのたとえです。
庭や土地など、広さの小ささを強調するときに使います。
「猫の額」の語源・由来
猫の額が狭いことにたとえた表現です。小さく狭い猫の額を、わずかな面積しかない土地や場所に見立てています。
江戸時代にはすでにたとえとして使われており、古くから定着している表現です。
「猫の額」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「猫の額ほどの〜」
「庭」「土地」「敷地」など、広さを表せる名詞を後ろに置く形です。「猫の額ほどの庭」「猫の額ほどの土地」などと使います。 - 「〜は猫の額ほどだ」
狭い場所を主題にして、その面積の小ささを述べます。「庭は猫の額ほどだ」「畑は猫の額ほどだ」などの形です。 - 「猫の額のような〜」
「ような」を使って、狭い場所を直接たとえる形です。「猫の額のような敷地」「猫の額のような庭」などと使います。
「猫の額」の例文
- 都会でようやく家を建て、猫の額ほどの庭に季節の花を植えました。
- 祖父から受け継いだ畑は猫の額ほどですが、家族で食べる野菜なら十分に育てられます。
- 駅前に残った猫の額のような土地にも、新しい店が建つことになりました。
「猫の額」の類似表現
手狭(てぜま)
場所が狭く、使ううえで十分な広さがないことを表します。
「事務所が手狭になる」のように使え、「猫の額」のような何かにたとえた表現ではありません。
鰻の寝床(うなぎのねどこ)
間口が狭く、奥行きが長い土地や建物をたとえる表現です。
単に面積が小さいことではなく、細長い形に着目している点が異なります。
「猫の額」の古い用例
西沢一風の浮世草子『御前義経記』は、元禄13年(1700)に出版された作品です。
同作の巻八には、「下の関は猫の額ほどある所なれども」という記述が記録されています。
下関の狭さを「猫の額」にたとえたもので、この時代にはすでに場所の面積が狭いことを表すたとえとして使われていました。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「猫の額」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「猫の額」項。
