桁が違う
読み方:けたがちがう
「桁が違う」の意味
比べものにならないほど大きな差があることです。
数量や規模だけでなく、実力、能力、品質、価値などの差についても使います。
単に少し優れているという程度ではなく、同じ基準で比べるのが難しいほど差が大きいという響きがあります。
「桁が違う」の語源・由来
「桁」は、もともとそろばんの珠を通す縦の串を指し、そこから、そろばんにおける数の位取りや、一、十、百、千といった数の位を指すようになりました。
数では、位が一つ変わるだけで大きさが大幅に変わります。
「桁が違う」は、この数の位が違うことをもとにした表現で、やがて数量以外の規模や程度などにも使われるようになりました。
「桁が違う」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜とは桁が違う」
比較する相手や物事を「〜とは」で示す形です。「一般の製品とは桁が違う」「新人とは桁が違う」などと使います。 - 「〜の桁が違う」
何について大きな差があるのかを「〜の」で示します。「売上の桁が違う」「予算の桁が違う」などの形です。 - 「桁が違う+名詞」
後ろに名詞を続け、その人物や物事が並外れていることを示します。「桁が違う選手」「桁が違う規模」などと使います。 - 「桁が違っている」
大きな差がある状態を表す形です。「二社では資金力の桁が違っている」「彼らとは経験の桁が違っている」などと使います。
「桁が違う」の例文
- 全国大会で優勝を重ねてきた彼の実力は、同年代の選手とは桁が違う。
- 地方の小さな催しを想像していたが、会場に着くと観客数も予算も桁が違っていた。
- 老舗の職人が仕上げた品を手にすると、市販品とは品質の桁が違うことに驚かされた。
「桁が違う」の類似表現
桁違い(けたちがい)
「桁が違う」と非常に近く、多くの場面で言い換えられます。
「桁違いの強さ」「桁違いに大きい」のように、うしろに色々な言葉を続けて使いやすい、便利な表現です。
桁外れ(けたはずれ)
普通の程度や範囲を大きく超えているものに使います。
「桁外れの才能」「桁外れに高い」のように、一つの対象が並外れていることを述べる場合にも使いやすい表現です。
「桁が違う」の古い用例
森鷗外の『高瀬舟』(1916年)には、「彼と我との相違は、謂はば十露盤の桁が違ってゐるだけで」とあります。
罪人の喜助と同心の庄兵衛の暮らしを金銭の規模という面から比べた箇所で、「そろばんの桁が違う」という形が使われています。
1916年には、数そのものの位取りだけでなく、人と人との経済的な程度の差をたとえる表現として用いられていました。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「桁が違う」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「桁が違う」「桁」項。
- 森鷗外『高瀬舟』1916年。
