血が騒ぐ
読み方:ちがさわぐ
「血が騒ぐ」の意味
気持ちが高ぶり、じっとしていられなくなることを意味します。
何かをしたいという強い気持ちが自然に湧き起こる様子にも使われます。
「血が騒ぐ」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜と血が騒ぐ」
「〜と」には、気持ちを高ぶらせる出来事や物事が入ります。「祭りの音を聞くと血が騒ぐ」「試合が近づくと血が騒ぐ」などと使います。 - 「〜に血が騒ぐ」
興奮を引き起こす対象を「〜に」で示します。「激しい勝負に血が騒ぐ」「冒険の話に血が騒ぐ」などの形です。 - 「〜の血が騒ぐ」
「〜」には、本人の性質や経験、立場などを表す語が入ります。「職人の血が騒ぐ」「勝負師の血が騒ぐ」などと使います。何かをきっかけに、自分の中にある性分や得意分野への意欲が強く現れる形です。
「血が騒ぐ」の例文
- 久しぶりに太鼓の音を聞いた途端、祭り好きの彼は血が騒いだ。
- 未開の土地を紹介する映像を見ていると、冒険好きの血が騒ぐ。
- 強豪との対戦が決まり、選手時代から変わらない勝負師の血が騒いでいる。
「血が騒ぐ」の類似表現
腕が鳴る(うでがなる)
「腕が鳴る」は、自分の腕力や技能を十分に発揮したくて、じっとしていられない気持ちになることです。
料理人が難しい料理に挑む、熟練者が手ごわい仕事を任されるといった、身につけた技術や能力を発揮したい場面に向いています。
「血が騒ぐ」は技能に限らず、祭り、冒険、勝負などによって気持ちが高ぶる場合にも広く使えます。
血湧き肉躍る(ちわきにくおどる)
戦いや試合などを前にして心が高ぶり、全身に力がみなぎるような状態を表します。
戦闘や競技など、緊張と勇気を伴う場面との結びつきが強い表現です。
「血が騒ぐ」は、祭りや趣味、旅など、もっと身近な楽しみや関心による高揚にも使えます。
「血が騒ぐ」の古い用例
泉鏡花の『葛飾砂子』には、明治33年(1900年)に「血が騒ぐか細おもての顔を赤うしながら」という表現が見られます。
この場面では、お縫が行方の分からない菊枝を捜している最中に使われています。
楽しいことへの期待というより、不安や緊張を伴って気持ちが高ぶっている様子です。
明治時代には「血が騒ぐ」が、強く心を動かされて平静ではいられない状態にも用いられていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「血が騒ぐ」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「血が騒ぐ」項。
- 泉鏡花「葛飾砂子」『泉鏡花集成3』ちくま文庫、筑摩書房、1996年。
