読み方:てんかいっぴん

「天下一品」の意味

「天下一品」とは、世の中で比べるものがないほど優れていること、またはそのように優れたものをいいます。

料理や品物だけでなく、技術や腕前などを高く評価するときにも使われます。

「天下一品」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「天下一品の〜」
    後ろに評価するものを続けます。「天下一品の料理」「天下一品の腕前」などの形です。
  • 「〜は天下一品だ」
    「〜」に料理、味、技術、話術などを置きます。「彼の包丁さばきは天下一品だ」などと使います。

「天下一品」の例文

  • この旅館で出される朝食の味は、まさに天下一品だ。
  • 職人が手作業で仕上げたこの器は、天下一品の出来栄えだった。
  • 長年の経験で磨かれた彼女の接客の腕前は、社内でも天下一品と評判だ。

「天下一品」の類似表現

天下無双(てんかむそう)

「天下無双」は、天下に並ぶものがないほど優れていることをいいます。

意味は「天下一品」とよく似ていますが、「天下無双」は人物の能力や強さなどにも広く使われる表現です。

「天下一品」を構成する言葉の意味

「天下」は、全世界、国全体、世の中などを意味する語です。

「天下の〜」という形には、比べるものがないほど優れていることを強調する用法もあります。

「一品」には「一つの品」という意味のほか、「他に類のない特別に優れた品」「第一等の品」という意味があります。

この語義は中国の白居易の詩にも見られます。

「天下一品」の古い用例

1898年(明治31年)の六代目桂文治による落語「芝居と帯」には、

「是は何うも天下一品で御坐います」

という用例があります。

「天下一品でございます」に当たる述語の形で、人物の芸を高く評価しています。

木下尚江の『良人の自白』(1904~1906年)には、

「天下一品の珍談を聴いたぞ」

とあります。

「天下一品の〜」と名詞を続ける形が、明治期にはすでに使われていたことが分かります。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「天下一品」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。