適材適所
読み方:てきざいてきしょ
「適材適所」の意味
「適材適所」とは、人それぞれの能力や性質に合った地位・仕事・役割を与えることです。
主に組織での人材配置について使われます。
「適材適所」の語源・由来
「適材」と「適所」を組み合わせた言葉です。
大正初期には、四字にまとめる前の「適材を適所に置く」という言い方が使われていました。
渋沢栄一の談話「予は覇者の道を踏まず」は『竜門雑誌』第293号(1912年)に掲載され、のちに『論語と算盤』へ収められています。
そこでは「適材を適所に置く」という形が繰り返し使われています。
現在の四字形を誰がいつ作ったのかまでは明らかではありません。
「適材適所」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「適材適所の〜」
後ろに「人事」「配置」「起用」などを続けます。「適材適所の人事」「適材適所の配置」などの形です。 - 「適材適所に〜」
後ろに人を配置する動作を続けます。「適材適所に配置する」「適材適所に人員を配する」などと使います。 - 「適材適所を〜」
「心がける」「徹底する」「実現する」などを続けます。「適材適所を心がける」「適材適所を実現する」などの形です。
「適材適所」の例文
- 新監督は選手の特徴を見極め、適材適所の起用でチームを立て直しました。
- 社員の経験や得意分野を調べたうえで、各部署へ適材適所に配置することになりました。
- 人数の少ない組織だからこそ、一人ひとりの長所を生かす適材適所を徹底する必要があります。
「適材適所」の類似表現
量才録用(りょうさいろくよう)
一人ひとりの才能を見定めて採用・登用することです。
「量才録用」は人の能力を評価して用いることを示し、「適材適所」はその人に合う地位や任務へ置くことを示す点に違いがあります。
「適材適所」の古い用例
渋沢栄一の「実験論語処世談(一七)」は、1916年8月から9月に『実業之世界』へ掲載されました。
その中に
「皆能く適材適所に置き」
とあり、「適材適所」という現在と同じ四字の語形がすでに使われています。
人を見分けてふさわしい場所へ置くことについて述べた箇所での用例です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「適材適所」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「適材適所」項。
- 公益財団法人渋沢栄一記念財団「論語と算盤」「人は平等なるべし」。
- 公益財団法人渋沢栄一記念財団「実験論語処世談」「五代友厚は仁か佞か」。
