読み方:おおばんぶるまい

「大盤振舞」の意味

気前よく盛大に、人へ食事や金品などを振る舞うことです。

ごちそうだけでなく、品物などを惜しまず与える場合にも使います。

「大盤振舞」の語源・由来

「大盤振舞」は、もともと「椀飯振舞(おうばんぶるまい)」と呼ばれていた言葉から生まれました。

「大盤」は本来の語ではなく、後世に当てられた字です。

「椀飯」は椀に盛った飯を意味し、平安時代には公卿などへの供膳を指しました。

鎌倉・室町時代には、武家社会で大名が将軍へ祝膳を奉る儀式にも用いられ、江戸時代には正月に親類縁者を招いて宴を催すことも「椀飯振舞」と呼ばれるようになりました。

江戸時代になると「おうばんぶるまい」から「おおばんぶるまい」という語形が生じ、「大盤」「大番」などの字が当てられるようになりました。

現在と同じ「大盤振舞」の表記が最初から固定していたわけではありません。

「大盤振舞」の使い方

次のような形で使われます。

  • 「大盤振舞する」
    食事や品物などを気前よく提供することを表します。「客に大盤振舞する」「祝いの席で大盤振舞する」などの形です。
  • 「大盤振舞をする」
    「する」を付けて一つの行動として述べます。「今日は社長が大盤振舞をする」などと使います。
  • 「〜を大盤振舞する」
    「〜」には食べ物や品物など、惜しまず提供するものを入れます。「景品を大盤振舞する」「料理を大盤振舞する」などの形です。

「大盤振舞」の例文

  • 優勝を祝って、監督が選手全員に焼き肉を大盤振舞した。
  • 創業記念の催しでは、来場者への景品が大盤振舞され、多くの人でにぎわった。
  • 臨時収入が入った父は、この日は珍しく家族に大盤振舞をした。

「大盤振舞」の古い用例

宝暦3年(1753)の咄本『軽口福徳利』には、

「おほばんぶるまひのとき、そばきりをうち申すが」

とあります。

漢字ではなく「おほばんぶるまひ」と仮名書きされており、江戸時代中期には、現在の「おおばんぶるまい」に通じる語形が使われていたことが分かります。

梅亭金鵞の滑稽本『七偏人』(1857~1863年刊)では、

「玉子と豆の大番振舞」

という「大番振舞」の表記が使われています。

幕末にも「大盤」に限らず別の当て字が用いられており、表記がまだ一つに定まっていなかったことを示す例です。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「大盤振舞」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「大盤振舞」「椀飯振舞」「椀飯」項。
  • 古代学協会編『平安時代史事典 本編上』角川書店、1994年、「垸飯」項。
  • 岩手県立図書館「大盤振舞と垸飯振舞について」レファレンス事例。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。