読み方:にしゃたくいつ

「二者択一」の意味

二つの事物や選択肢のうち、どちらか一方を選ぶことです。

両方を取るのではなく、一方に決めることを表します。

「二者択一」の語源・由来

「二者」は二つのもの、「択一」は複数のものから一つを選ぶことです。

「択一」という語は、明治19年(1886)刊行の『仏和法律字彙』にすでに見られます。

特定の中国古典の故事をもとにした四字熟語ではなく、「二者」と「択一」を組み合わせた語です。

ただし、「二者択一」という現在の四字の形がいつ成立したのかは明確ではありません。

「二者択一」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「二者択一を迫られる」
    二つの選択肢から一方を決めなければならない場面で使います。「厳しい二者択一を迫られる」などの形です。
  • 「AかBかの二者択一」
    選択肢を二つ具体的に示す形です。「賛成か反対かの二者択一」「続行か撤退かの二者択一」などと使います。
  • 「二者択一の〜」
    後ろに「問題」「状況」「考え方」などを続けます。「二者択一の問題」「二者択一の考え方」などの形です。

「二者択一」の例文

  • 限られた予算の中で、新しい設備を導入するか人員を増やすか、経営陣は二者択一を迫られました。
  • この問題を賛成か反対かという二者択一だけで論じると、重要な事情を見落とすおそれがあります。
  • 彼は二者択一で決めるのではなく、両方の案の長所を取り入れる方法を探しました。

「二者択一」の類似表現

二者選一(にしゃせんいつ)

意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。

「二者選一」には「二者撰一」という表記の古い用例もあります。

取捨選択(しゅしゃせんたく)

必要なものを選び、不要なものを捨てることをいいます。

選択肢が二つに限られず、複数のものを選別する場合にも使える点が異なります。

「二者択一」の古い用例

昭和22年(1947)の大河内一男『労働組合と失業問題』には、

「強力か経済法則か」といふ二者択一は

という用例が報告されています。

「AかBか」という二つの選択肢を示し、それを「二者択一」と呼ぶ形が、この時期には使われていたことが分かります。

昭和24年(1949)には、三島由紀夫「一青年の道徳的判断」に「行為の二者択一の問題」という用例があります。

同作は雑誌『人間』4巻7号に掲載されました。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「二者択一」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「二者択一」「択一」項。
  • 小学館『日国友の会』「二者択一」読者カード、2007年12月13日公開。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。