読み方:むしゃしゅぎょう

「武者修行」の意味

武者修行とは、武士が武芸を磨くために諸国を巡って修行することです。

転じて、学問・技芸・スポーツなどの力を高めるため、普段いる場所を離れて別の土地や外国へ行くこともいいます。

「武者修行」の語源・由来

「武者修行」は、日本で行われた武芸者の修行の旅を背景とする言葉です。

室町時代末期から江戸時代初期にかけて、武芸者が諸国を巡り、各地の使い手や道場を訪ねて技を磨く修行が盛んに行われました。

「廻国修行」とも呼ばれています。

江戸時代中期には他流との試合が衰えましたが、竹刀を使った稽古が広まった江戸後期になると、他藩や各地の道場を訪ねる廻国修行が再び活発になりました。

「武者修行」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「武者修行に出る」
    修行のために住み慣れた場所を離れるときに使います。「諸国へ武者修行に出る」「若いうちに武者修行に出る」などの形です。
  • 「〜へ武者修行に行く」
    「〜」には修行先となる土地や国などを入れます。「本場へ武者修行に行く」「東京へ武者修行に行く」などと使います。
  • 「武者修行中の〜」
    修行のため別の土地で経験を積んでいる人について使います。「武者修行中の選手」「武者修行中の料理人」などの形です。

「武者修行」の例文

  • 若い剣士は各地の道場で腕を磨くため、数年間の武者修行に出ました。
  • その料理人は本場の技術を身につけようと、フランスへ武者修行に行っています。
  • 海外で武者修行中だった選手が、来季から古巣のチームへ復帰することになりました。

「武者修行」の古い用例

文禄5年(1596)成立とされる『義残後覚』巻三には、

「生年廿七のとし、武者修行にいでて」

とあります。

「武者修行に出る」という、現在にも残る形が16世紀末にはすでに使われていたことが分かります。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「武者修行」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「武者修行」項。
  • 小学館『日本大百科全書』「武者修行」項。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。