大胆不敵
読み方:だいたんふてき
「大胆不敵」の意味
「大胆不敵」とは、度胸がすわっていて、何ものをも恐れないことです。
人の勇気を評価するときにも使いますが、「不敵」には相手を恐れず、場合によっては相手を見下すような強さもあるため、無謀な行動や悪事などを形容することもあります。
「大胆不敵」の語源・由来
「大胆」は、度胸があって恐れを知らないこと、「不敵」は、敵を敵とも思わず恐れないことをいいます。
「大胆不敵」は、意味の近い二つの語を重ねて、恐れない態度を強く表した言葉です。
特定の中国古典の故事や一つの文章を直接の出典とすることは確認できず、現在の四字の形がいつ成立したのかも明確ではありません。
「大胆不敵」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「大胆不敵な〜」
後ろに「行動」「態度」「計画」「犯行」などを続けます。「大胆不敵な行動」「大胆不敵な計画」などの形です。 - 「大胆不敵に〜」
後ろに動作を続けます。「大胆不敵に振る舞う」「大胆不敵に挑む」などと使います。 - 「大胆不敵にも〜」
驚くほど恐れを知らない行動を述べるときに使います。「大胆不敵にも単身で乗り込む」などの形です。 - 「大胆不敵だ」
人物やその振る舞いについて述べます。「彼は大胆不敵だ」のように使います。
「大胆不敵」の例文
- 誰も引き受けたがらない難しい交渉に一人で臨むとは、彼は実に大胆不敵だ。
- 新人選手は王者を前にしてもひるまず、大胆不敵に攻め続けた。
- 犯人は監視カメラのある店へ大胆不敵にも再び姿を現した。
「大胆不敵」の類似表現
勇猛果敢(ゆうもうかかん)
「勇猛果敢」は、勇ましく、思い切って行動することをいいます。
「大胆不敵」が恐れない態度や度胸を表すのに対し、「勇猛果敢」は決断して積極的に行動する面まで含み、ほめ言葉として使いやすい表現です。
「大胆不敵」の古い用例
永禄6年(1563)成立の『玉塵抄』には、
「人はけなげな者をば大胆不敵ものと云ぞ」
とあります。
『玉塵抄』は室町時代の抄物で、この例では「大胆不敵もの」という形で、勇ましい人物を指しています。
現代によく見られる「大胆不敵な人」のような「な」を伴う形とは異なる用法です。
横光利一の『火の点いた煙草』には、昭和2年(1927)の初出本文に
「大胆不敵な桃色の封筒」
という表現があります。
この時期には、現在と同じ「大胆不敵な+名詞」の形が使われています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「大胆不敵」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「大胆不敵」項。
- 国文学研究資料館『国書データベース』「玉塵抄」。
- 横光利一『火の点いた煙草』「婦人公論」第十二年第四号、1927年。
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会「漢字カフェ」円満字二郎「四字熟語根掘り葉掘り85 『大胆不敵』はほめことばになるか?」2021年。
