読み方:ろんこうこうしょう

「論功行賞」の意味

功績の有無や大小を調べ、その程度に応じた賞を与えることです。

「論功行賞」の語源・由来

「論功」と「行賞」を組み合わせた漢語です。

「行」はここでは賞を実際に施すことを表し、漢文では「功を論じ、賞を行う」と読み下せます。

「論功行賞」の出典

西晋の陳寿が撰した『三国志』「魏書・明帝紀」に、司馬宣王(司馬懿)や曹休らが呉軍を破った記事の直後に、

論功行賞各有差。

とあります。

現在と同じ「論功行賞」の四字がそのまま続けて使われています。

記事が記す出来事は明帝即位直後の226年ですが、その年を四字熟語の成立年とすることはできず、確実に確認できるのは『三国志』の本文にこの語形があることです。

「論功行賞」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「論功行賞を行う」
    戦いや事業などが終わったあと、功績に応じて褒賞を決めることを述べます。「功臣に論功行賞を行う」「戦いの後に論功行賞を行う」などの形です。
  • 「論功行賞で〜」
    後ろに褒賞の結果を続けます。「論功行賞で昇進する」「論功行賞で所領を得る」などと使います。
  • 「論功行賞の〜」
    後ろに「人事」「対象」「結果」などを続けます。「論功行賞の人事」「論功行賞の対象」などの形です。

「論功行賞」の例文

  • 新事業を成功させたチームには、期末の論功行賞で特別賞与が支給された。
  • 合戦が終わると、城では家臣たちの働きを一人ずつ確かめながら論功行賞が行われた。
  • 選挙後の役員人事は、執行部を支えた議員への論功行賞だとの見方も出た。

「論功行賞」の類似表現

信賞必罰(しんしょうひつばつ)

功績のある者への賞に加えて、罪のある者には必ず罰を与えるという賞罰全体の原則を指します。

褒賞だけを扱う場合には「論功行賞」と置き換えられません。

「論功行賞」の古い用例

日本語の早い実例として、1905年(明治38)9月2日付『報知新聞』に

「露国の論功行賞は第一が日本満洲軍総参謀長児玉源太郎」

とあります。

この時期には「論功行賞」が名詞として新聞記事で使われていました。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「論功行賞」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「論功行賞」項。
  • 陳寿『三国志』魏書・明帝紀。
  • 日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』「論功行賞」項。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。