完全無欠
読み方:かんぜんむけつ
「完全無欠」の意味
不足や欠点がまったくなく、非のうちどころがないこと、またそのさまを表します。
「完全」をさらに強め、少しの不足も認めない評価を示す語です。
「完全無欠」の語源・由来
「完全」と「無欠」という類義の二語を重ねて、意味を強めた構成です。
特定の故事や中国古典を直接の出典とする成立過程は確定しておらず、現在の四字形が成立した時期も明らかではありません。
「完全無欠」の使い方
次のような形で使われます。
- 「完全無欠な〜」
後ろに「計画」「人物」「制度」「仕上がり」などを続けます。「完全無欠な計画」「完全無欠な人物」などの形です。 - 「完全無欠の〜」
後ろに人や物事を表す名詞を続けます。「完全無欠の人」「完全無欠の作品」などと使います。 - 「〜は完全無欠だ」
人物や物事について、欠点がないと評価するときに使います。 - 「完全無欠ではない」
欠点が一つもないわけではないことを示します。高く評価しながら、問題点や弱点の存在を認める文章にも使えます。
「完全無欠」の例文
- この計画は細部までよく練られているが、担当者は完全無欠だとは考えず、予備案も用意した。
- 彼女は攻守ともに安定し、若手ながら完全無欠の選手と評されるほどの活躍を見せた。
- どれほど高性能な機械でも完全無欠ではないため、定期点検は欠かせない。
「完全無欠」の類似表現
十全十美(じゅうぜんじゅうび)
意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。
「十全十美」も、意味の近い「十全」と「十美」を重ね、あらゆる点で欠けるところがないことを表す四字熟語です。
使い分けに大きな差はありません。
「完全無欠」の古い用例
確認できる早い日本語の用例として、植木枝盛の『尊人説』(1878年)に
「都て古の聖人賢智者等の言行を以て完全無欠のものとなし」
とあります。
現代と同じ「完全無欠」の四字形が用いられ、古代の聖人や賢者の言行を欠点のないものとみなす文脈で使われています。
1895年4月17日に調印された日清講和条約(下関条約)の日本語本文には、
「清國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス」
とあります。
ここでは「欠」に当たる字に「缺」を用いた「完全無缺」という表記になっており、明治期の公文書でもこの語が使われていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「完全無欠」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「完全無欠」項。
- 三省堂編修所編『新明解四字熟語辞典』第2版、三省堂、2013年、「完全無欠」項。
- アジア歴史資料センター「日清講和条約(下関条約)締結」関連公文書「調印書(附属地図あり)」。
