読み方:みらいえいごう(みらいようごう)

「未来永劫」の意味

これから先、果てしなく長い年月にわたることです。

時間そのものを指すほか、「永遠に」という意味で副詞的にも使われます。

「未来永劫」の語源・由来

「未来永劫」は、仏教語の「永劫」に「未来」を添えた表現です。

「劫」はサンスクリット語の「kalpa(カルパ)」を音写した語で、通常の年月では測れないほど長い時間を指します。

『無量寿経』には

「不可思議兆載永劫」

という句があり、「永劫」が非常に長い時間を表す仏教語として使われています。

ただし、ここにあるのは「兆載永劫」であり、現在の「未来永劫」という四字の形そのものではありません。

「未来永劫」の使い方

次のような形で使われます。

  • 「未来永劫〜」
    後ろに「続く」「変わらない」「忘れない」などを続けます。「未来永劫変わらない」「未来永劫残る」などの形です。
  • 「未来永劫にわたって〜」
    非常に長い将来に及ぶことを述べるときに使います。「未来永劫にわたって受け継ぐ」「未来永劫にわたって続く」などと使います。

「未来永劫」の例文

  • この貴重な文化を未来永劫守っていくには、次の世代へ技術を伝える必要があります。
  • どれほど優れた制度でも、未来永劫変わらず通用するとは限りません。
  • 人々は、平和な社会が未来永劫にわたって続くことを願いました。

「未来永劫」の類似表現

生生世世

読み方:しょうじょうせぜ

生まれ変わり死に変わりしながら、いつまでも続くことをいいます。

人の生まれ変わりを重ねていく意味を含むため、単に将来の長い時間をいう場合には使える場面が限られます。

永永無窮

読み方:えいえいむきゅう

果てることなくいつまでも続くことをいう、文章語的な表現です。

「未来永劫」が将来の時間を明示するのに対し、「永永無窮」は終わりのない長さそのものを述べる形です。

「未来永劫」の古い用例

14世紀後半に成立したとされる『太平記』巻第三十三には、

是又未来永劫の業障也

とあります。

この時代の「未来永劫」は「みらいようごう」と読まれており、現在も認められている別読みの古い例です。

尾崎紅葉の『二人むく助』(1891年)には、

「未来永劫(ミライエイガウ)浮む事あるべからず」

という用例があります。

明治期には、現在の主な読みである「みらいえいごう」につながる読み方が文献上に現れています。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「未来永劫」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「未来永劫」「永劫」項。
  • 浄土宗総合研究所『新纂浄土宗大辞典』「兆載永劫の行」項。
  • 大谷大学「劫|生活の中の仏教用語」。
  • 『太平記』巻第三十三。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。