賛否両論
読み方:さんぴりょうろん
「賛否両論」の意味
ある事柄について、賛成する意見と反対する意見の両方があり、意見が分かれていることです。
特に、どちらか一方が明らかに優勢とはいえない場合にも使われます。
「賛否両論」の語源・由来
「賛否両論」は、「賛成と不賛成」を指す「賛否」と、相対する二つの議論を指す「両論」を組み合わせた語です。
日本語では、「両論」が矢野龍渓『経国美談』(1883~84年)に、「賛否」が斎藤緑雨『かくれんぼ』(1891年)に用いられています。
現在の「賛否両論」という四字形が成立した時期は明確ではありません。
「賛否両論」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜について賛否両論がある」
「〜」に意見が分かれている対象を入れます。「新制度について賛否両論がある」などの形です。 - 「〜が賛否両論を呼ぶ」
人々の意見を二つに分けた出来事や発言などを前に置きます。「新しい広告が賛否両論を呼ぶ」などと使います。 - 「賛否両論の〜」
後ろに「案」「作品」「発言」などを続けます。「賛否両論の企画」などの形です。
「賛否両論」の例文
- 校則の大幅な見直しには賛否両論があり、生徒会は意見募集の期間を延ばしました。
- 新しいロゴの発表は賛否両論を呼び、会社には多くの意見が寄せられました。
- 公開当初は賛否両論の映画でしたが、数年後には独特の演出が再評価されました。
「賛否両論」の類似表現
甲論乙駁(こうろんおつばく)
互いに自分の意見を述べ、相手の主張に反論し合って、議論がまとまらない様子を表します。
意見が存在することよりも、実際に論じ合う動きが前面に出る言葉です。
議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)
さまざまな意見が数多く出ることをいいます。
意見が二つの立場に分かれている必要はなく、多方面から多くの主張が出る場合に使えます。
「賛否両論」の古い用例
『中外商業新報』1919年(大正8年)8月15日付の記事には、
「借款加入是非 : 賛否両論内容」
という見出しがあります。
少なくとも大正8年には、現在と同じ「賛否両論」の表記が新聞で使われていました。
「賛否両論」の間違いやすい使い方・表記
「賛否両論」は、賛成する人と反対する人の数がちょうど半分ずつであることを意味する言葉ではありません。
人数の割合ではなく、賛成・反対という両方の立場から意見が出ていることを示します。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「賛否両論」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「賛否」「両論」項。
- 神戸大学経済経営研究所「新聞記事文庫」所収、『中外商業新報』1919年8月15日「借款加入是非:賛否両論内容」。
