興味津津
読み方:きょうみしんしん
「興味津津」の意味
物事への興味や関心が次から次へとわいてきて、尽きないさまをいいます。
人が何かに強くひきつけられている様子にも、その物事がおもしろく感じられる様子にも使われます。
「興味津津」の語源・由来
「興味津津」は、「興味」に「あふれ出る、絶えずわき出る」という意味の「津津」を添えた言葉です。
「津津」は古くから中国で使われており、『荘子』「庚桑楚」には
「然而其中津津乎猶有惡也」
とあります。
ここでの「津津」は満ちあふれている様子を表す語で、後には興味が盛んな様子にも使われるようになりました。
宋代の葛勝仲の詞にも、そのような意味の「津津」が見られます。
ただし、『荘子』に現在の「興味津津」という四字の形があるわけではありません。
「興味津津」そのものがいつ成立したかは明確ではなく、日本語では昭和初期の用例が確認されています。
「興味津津」の使い方
次のような形で使われます。
- 「〜に興味津津だ」
関心を向けている対象を「に」の前に置きます。「新しい実験に興味津津だ」「舞台裏の話に興味津津だ」などの形です。 - 「興味津津で〜」
後ろに見る・聞くなどの動作を続けます。「興味津津で説明を聞く」「興味津津でのぞき込む」などと使います。 - 「興味津津の〜」
後ろに「様子」「表情」「子どもたち」などを続けます。「興味津津の様子」「興味津津の観客」などの形です。 - 「興味津津たる〜」
やや文章語的な言い方です。「興味津津たる話題」「興味津津たる研究」のように続けます。
「興味津津」の例文
- 子どもたちは初めて見る天体望遠鏡に興味津津で、次々に質問をしていました。
- 発掘された古文書の内容が発表されると、歴史好きの父は興味津津になって資料を読み始めました。
- 新商品の開発秘話を聞こうと、会場には興味津津の参加者が集まっていました。
「興味津津」の類似表現
興味盎然(きょうみおうぜん)
興味が盛んで、強くわき起こっている様子をいいます。
「盎然」には満ちあふれるという意味があり、関心の強さを表す点では「興味津津」と近い表現です。
「興味津津」は、興味が次々とわいて尽きない感じを表しやすいという違いがあります。
「興味津津」の古い用例
品川義介の『我羊独語』(1929年)「南洲の一詩を捉へて」には、
「殊に創生記や詩篇を繙く時に興味津々として盡きざるものがある」
という用例があります。
「興味津々として」の形で用いられており、昭和初期にはすでに「興味が尽きない」という現在とほぼ同じ意味で使われていたことが分かります。
『我羊独語』は白雲山荘から1929年に刊行されています。
「興味津津」の間違いやすい使い方・表記
「興味津津」は「興味津々」とも書きます。
「々」は同じ漢字を繰り返すことを示す記号なので、「津津」と「津々」は同じ語を表します。
「しんしん」という読みから「興味深深」と書くのは誤りです。
「津津」は、あふれ出る様子を表す「津」を重ねた語です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「興味津津」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「興味津津」「津津」項。
- 『荘子』「庚桑楚」。
- 品川義介『我羊独語』白雲山荘、1929年。
