他言無用
読み方:たごんむよう
「他言無用」の意味
秘密にしておくべきことを、ほかの人に話してはならないということです。
人に知られたくない話や情報について、口止めするときに使います。
「他言無用」の語源・由来
「他言」と、禁止を表す「無用」を組み合わせた表現です。
「他言」は秘密などをほかの人に話すことをいい、「無用」には「してはならない」という意味があります。
ここでの「無用」は、「必要がない」という意味ではありません。
「立ち入り無用」「貼紙無用」などと同じく、ある行為を禁じる言い方です。
この禁止を表す「無用」は、日本語では16世紀の資料にも用例があります。
特定の中国古典の故事をもとにした四字熟語ではなく、現在の四字の形がいつ成立したかは明確ではありません。
「他言無用」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「他言無用で〜」
後ろに「お願いします」「頼む」などを続け、相手に口外しないよう求めます。「他言無用でお願いします」「他言無用で頼む」などの形です。 - 「〜は他言無用だ/です」
前に秘密にしたい事柄を置きます。「この件は他言無用だ」「今日の話は他言無用です」などと使います。 - 「他言無用の〜」
後ろに「話」「情報」「約束」などを続けます。「他言無用の話」「他言無用の情報」などの形です。
「他言無用」の例文
- 新しい人事については正式発表前なので、他言無用でお願いします。
- 事情を打ち明けた彼は、最後に「ここで聞いたことは他言無用だ」と念を押した。
- その情報は他言無用の条件で聞いたものなので、本人の許可なく公表することはできない。
「他言無用」の類似表現
口外無用(こうがいむよう)
意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。
「口外」も、秘密などをほかの人に話すことを指します。
秘密厳守(ひみつげんしゅ)
「秘密厳守」は、秘密を厳重に守ることを求める表現で、規則や注意事項にも使われます。
「他言無用」は、とくに人へ話さないことを求める場面で用いられます。
「他言無用」の古い用例
『鹿児島県史料 斉彬公史料 第一巻』所収の嘉永元年(1848)二月二十九日付「山口定救へ書翰」には、
「けして外江他言無用ニ御座候」
とあります。
秘密にすべき内容を外部へ話さないよう求めており、幕末には「他言無用」が現在につながる禁止の表現として使われていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「他言無用」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「他言」「無用」項。
- 鹿児島県維新史料編さん所編『鹿児島県史料 斉彬公史料 第一巻』鹿児島県、1981年。
