相思相愛
読み方:そうしそうあい
「相思相愛」の意味
互いに相手を慕い、愛し合っていることです。
主に恋愛関係の二人について使いますが、互いに相手を必要としている企業同士や、入団を望む選手と獲得を望むチームなどにも、たとえて使われます。
「相思相愛」の語源・由来
「相思」と「相愛」を重ねてできた四字熟語です。
「相思」は互いに思い慕うこと、「相愛」は互いに愛し合うことをいい、どちらも「相」に互いに、という意味があります。
「相思」は『和漢朗詠集』(1018年ごろ)、「相愛」は『仁説問答師説』(1688~1710年)に日本語の古い用例があります。
現在の「相思相愛」という四字の形については、古代中国の特定の故事や成句を直接の出典とすることは確認できません。
日本語では明治時代にはすでに使われていますが、いつ、誰が「相思」と「相愛」を結び付けたのかは明確ではありません。
中国についても、近代より前の「相思相愛」の用例は見当たらないとする調査があります。
「相思相愛」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「相思相愛の〜」
後ろに「仲」「関係」「二人」などを続けます。「相思相愛の仲」「相思相愛の二人」などの形です。 - 「〜は相思相愛だ」
二人や二つの組織などについて、双方が互いを望んでいることを述べます。「二人は相思相愛だ」「球団と選手は相思相愛だ」などと使います。 - 「相思相愛だった」
過去の関係を述べる場合に使います。「学生時代から相思相愛だった」などの形です。
「相思相愛」の例文
- 長く友人として付き合ってきた二人は、いつしか相思相愛になり、結婚することになった。
- 移籍を希望していた選手をクラブ側も高く評価しており、両者は相思相愛だった。
- 提携先を探していた二社の考えが一致し、交渉は相思相愛の関係から順調に進んだ。
「相思相愛」の類似表現
両思い(りょうおもい)
恋愛について、双方が相手に恋心を持っていることを表す日常的な言い方です。
「相思相愛」は文章や改まった場面でも使われ、企業やスポーツなど恋愛以外の関係にもたとえて用いることがあります。
比翼連理(ひよくれんり)
男女や夫婦の深くむつまじい関係について使う、文学的な語感の強い四字熟語です。
企業同士や選手とチームのような関係には、通常「相思相愛」のほうが用いられます。
「相思相愛」の古い用例
明治21年(1888)の『女学雑誌』第96号に掲載された巌本善治「日本の家族(一)」では、家族を「相思相愛」する関係として捉える記述が確認されています。
恋人同士だけではなく、家族の成員が互いに思いやり合う関係についてこの四字形が用いられていた点が注目されます。
明治期の資料を調査した円満字二郎も、自身が確認した範囲では1888年ごろより前の日本語用例にはさかのぼれないとしています。
田中正造が明治38年(1905)11月17日に稿を記した「非常歎願書」には、渡良瀬川流域の村々について
「常に相思相愛の情味を脱する能はざる」
とあります。
ここでは男女の恋愛ではなく、苦楽を共にする隣接地域の人々の結び付きについて使われており、明治期には現在より広い人間関係を指す例があったことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「相思相愛」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「相思相愛」「相思」「相愛」項。
- 木下比呂美「巌本善治の女子教育思想―近代的家庭の創造と婦人の人間的発達―」『教育学研究』第52巻第2号、1985年。
- 円満字二郎「四字熟語根掘り葉掘り84:悲劇の夫婦の『相思相愛』」公益財団法人日本漢字能力検定協会、2021年。
- 田中正造「非常歎願書」『田中正造全集 第三巻』岩波書店、1979年。
