難攻不落
読み方:なんこうふらく
「難攻不落」の意味
難攻不落とは、攻めるのが難しく、容易には陥落しないことです。
城や要塞などについて使うほか、働きかけてもなかなか承知してくれない人や相手をたとえていう場合もあります。
「難攻不落」の語源・由来
「難攻」は攻めるのが難しいこと、「不落」は攻め落とされないことを表し、この二つを組み合わせた語です。
確認できる範囲では、特定の故事や中国古典を直接の出典とする確かな典拠はなく、現在の四字の形がいつ成立したかも明確ではありません。
「難攻不落」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「難攻不落の〜」
後ろに「城」「要塞」「陣地」などを続けます。人や組織などを攻略しにくい相手に見立てて、「難攻不落の相手」とすることもあります。 - 「難攻不落といわれる〜」
攻め落とすのが難しいと評されている対象を続けます。「難攻不落といわれる城」などの形です。 - 「難攻不落を誇る」
強固な守りを持つ城や要塞などについて、「難攻不落を誇る要塞」のように使います。
「難攻不落」の例文
- 険しい山と深い堀に囲まれたその城は、長く難攻不落と恐れられていた。
- 何度提案しても首を縦に振らない担当者だったが、ついに難攻不落の相手との交渉がまとまった。
- 相手チームの守備は難攻不落と思われていたが、終盤に連続得点を奪うことができた。
「難攻不落」の類似表現
金城鉄壁(きんじょうてっぺき)
非常に堅固で、付け入る隙がないことを表します。
「金城鉄壁の守り」のように、防御そのものの強さについて使われることが多い表現です。
「難攻不落」は、攻める側から見て攻略が難しいことを述べる場合にも適しています。
要害堅固(ようがいけんご)
地形が守りに適しており、敵に対する備えもしっかりしていることです。
主に城や山城など、場所の地勢と防備について使います。
人を説得しにくいことまで表せる「難攻不落」とは、使える対象の範囲が異なります。
「難攻不落」の古い用例
1904年(明治37年)12月9日の『報知新聞』には、日露戦争中の旅順について
「元来旅順の難攻不落と称せられたるは」
とあります。
「難攻不落」が「と称せられる」に続き、要塞を攻め落とすことの難しさを表す語として使われています。
寺田寅彦の「簔虫と蜘蛛」には、
「簔虫の難攻不落と頼む外郭の壁上」
とあります。
この作品は1921年(大正10年)5月に『電気と文芸』へ発表されたもので、簔虫の丈夫な袋を攻めにくい城郭に見立てて「難攻不落」を用いています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「難攻不落」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「難攻不落」項。
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』「難攻不落」「金城鉄壁」「要害堅固」項。
- 寺田寅彦「簔虫と蜘蛛」『電気と文芸』1921年5月。
