掴み所がない
読み方:つかみどころがない
「掴み所がない」の意味
人や物事を理解したり評価したりするための手がかりがなく、本質や真意、要点をとらえにくいことです。
人の性格や態度だけでなく、話や説明などにも使われます。
「掴み所がない」の語源・由来
「掴み所」は、もともと手でつかむことのできる部分を指す言葉です。
そこから、物事を理解したり評価したりするための手がかりとなる点も「掴み所」と呼ぶようになりました。
「掴み所がない」は、その手がかりとなる点がないことを表す形です。
「掴み所がない」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜は掴み所がない」
人物や話などを主題にする形です。「彼は掴み所がない」「この話は掴み所がない」などと使います。 - 「掴み所のない〜」
後ろの名詞を説明する連体形です。「掴み所のない人物」「掴み所のない答え」などの形があります。 - 「掴み所がなくて〜」
とらえにくいことを前提として、後ろに判断や対応の難しさなどを続ける形です。「掴み所がなくて困る」「掴み所がなくて判断しにくい」などと使います。
「掴み所がない」の例文
- 新しく来た上司は考えていることをあまり表に出さず、どうにも掴み所がない。
- 説明を最後まで聞いたものの、話題が次々と変わるので掴み所がなくて質問すべき点さえ分からなかった。
- いつも穏やかに笑っている彼には、どこか掴み所のない雰囲気がある。
「掴み所がない」の類似表現
雲を掴む(くもをつかむ)
「雲を掴む」は、話や計画などが漠然としていて、はっきりととらえられない様子を表します。
「雲を掴むような話」のように使うことが多く、「掴み所がない」は話や物事だけでなく、人の性格や態度についても幅広く使えます。
「掴み所がない」の古い用例
田山花袋『東京の三十年』(1917年)には、「瓢箪鯰でつかみどころのないやうな態度は」という例があります。
「つかみどころのない」が「態度」を修飾しており、この時期には、人の態度を容易にとらえられないものとして表す現在と近い例え話としての使い方が見られます。
「やう」は現在の「よう」に当たる昔の文字の書き方です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「掴み所がない」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「掴所」項。
- 北村孝一編『小学館 ことわざを知る辞典』小学館、2018年、「雲を掴む」項。
