馬鹿にならない
読み方:ばかにならない
「馬鹿にならない」の意味
軽く見たり無視したりできないほど、金額・程度・影響・価値などが大きいことをいいます。
一つ一つは小さく見えても、積み重なると大きくなるものについて使うほか、人の実力や物事の影響力などを軽視できないと評価するときにも使えます。
「馬鹿にならない」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜が馬鹿にならない」
金額・量・負担・影響などを主語にする形です。「毎月の交通費が馬鹿にならない」「手数料が馬鹿にならない」などと使います。 - 「〜も馬鹿にならない」
一見すると小さく思えるものを取り上げるときに使いやすい形です。「数百円の出費も馬鹿にならない」「毎日の待ち時間も馬鹿にならない」などと使います。 - 「〜は決して馬鹿にならない」
「決して」を添えて、軽視できないことを強めます。「口コミの影響は決して馬鹿にならない」「新人の力は決して馬鹿にならない」などの形です。 - 「馬鹿にならない〜」
後ろに名詞を続ける連体形です。「馬鹿にならない金額」「馬鹿にならない負担」などと使います。
「馬鹿にならない」の例文
- 毎朝買っている飲み物も、一年間の代金を計算すると馬鹿にならない。
- 経験の浅い選手ばかりのチームだが、若さと勢いは馬鹿にならないので油断はできない。
- 小さな作業を何度も中断すると、そのたびに集中し直す時間が必要になり、積み重なる損失は馬鹿にならなかった。
「馬鹿にならない」の類似表現
馬鹿にできない(ばかにできない)
意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。
「あの人の実力は馬鹿にできない」「毎月の維持費も馬鹿にできない」のように、人の能力から金額まで幅広く使えます。
侮れない(あなどれない)
人の実力、相手の力、危険性などについて特に使いやすい表現です。
「新人だからといって侮れない」「小さな傷でも侮れない」のように、相手や物事を低く評価してはいけないという響きがあります。
「馬鹿にならない」の古い用例
佐々木邦の小説『負けない男』には、「僅か五銭でも馬鹿にならない」という記述があります。
この作品は『講談倶楽部』に1930年(昭和5年)1月から12月まで掲載されました。
作中では、社員一人あたりの弁当代を五銭減らす話の中で、人数が約千人に及ぶため、わずかな金額でも合計すると大きな節約になることを表しています。
1930年には、現在と同じく、小さな金額の積み重ねを軽視できないという意味で「馬鹿にならない」が使われています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「馬鹿にならない」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 佐々木邦『負けない男』、初出『講談倶楽部』、1930年1月~12月。青空文庫収録本文。
