目が眩む
読み方:めがくらむ
「目が眩む」の意味
めまいがして目の前が暗くなること、強い光などによって一時的に見えにくくなること、また、あるものに心を奪われて正常な判断ができなくなることです。
比喩的な意味では、理性や分別を失うという否定的な含みがあります。
「目が眩む」の語源・由来
「くらむ」には、もともと暗くなるという意味があり、「目がくらむ」の形では、目が見えにくくなることや、めまいがすることを表しました。
こうした視覚の異常を表す使い方が本来の意味で、そこから、心を奪われて物事を正しく判断できなくなる状態にも使われるようになりました。
「目が眩む」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜に目が眩む」
「〜」には、強い光など視覚に影響を与えるものや、金・欲・利益など心を奪うものが入ります。「強い光に目が眩む」「金に目が眩む」などの形です。 - 「目が眩むほどの〜」
「ほどの」を続けて、めまいを覚えるほど程度が大きいことを表します。「目が眩むほどの高さ」「目が眩むほどの光」などと使います。 - 「〜に目が眩んで〜」
「目が眩む」を「目が眩んで」として、後ろにその結果となる行動や状態を続けます。「欲に目が眩んで判断を誤る」「閃光に目が眩んで立ち止まる」などの形です。
「目が眩む」の例文
- 断崖の上から谷底を見下ろすと、目が眩むほどの高さだった。
- 暗い建物から外へ出た瞬間、強い日差しに目が眩んだ。
- 彼は目先の利益に目が眩み、長年築いてきた信用を失うような決断をしてしまった。
「目が眩む」の類似表現
目が回る(めがまわる)
めまいがするという意味では「目が眩む」と重なります。
「目が回る」には「非常に忙しい」という比喩的な使い方もありますが、「金や欲に心を奪われ判断を誤る」という意味で使うことはありません。
目が曇る(めがくもる)
偏った見方によって適切な判断ができなくなることを表します。
判断力について使う点は共通しますが、「目が曇る」は身びいきや先入観などによる判断の偏りにも使われます。
身体的なめまいや、強い光で見えなくなる状態には使いません。
「目が眩む」の古い用例
『日葡辞書』(1603~1604年)には、「目が眩む」が目のかすむ意味で記録されています。
17世紀初めには、視覚が正常に働かなくなることを表す言葉として使われていました。
1703年の雑俳『うき世笠』には「利にめのくらむにせ小判」とあります。
「利にめのくらむ」という言い回しから、この時代にはすでに「利益に心を奪われて判断を失う」という比喩的な使い方がされていました。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「目が眩む」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「目が眩む」「暗む」項。
