間が抜ける
読み方:まがぬける
「間が抜ける」の意味
調子や拍子が外れてしまりがなくなること、また、肝心なところが抜け落ちていて愚かに見えることをいいます。
音楽などの調子について使う場合と、人の言動や話などの不注意・不出来を評する場合があります。
「間が抜ける」の語源・由来
「間」は、邦楽・舞踊・演劇などで、拍と拍、動作と動作の時間的な間隔をいい、リズムやテンポの意味でも使われる言葉です。
「間が抜ける」は、もともと音楽などで拍子や調子が外れることを表しました。
そこから、物事の大切な部分が欠けていることや、することにぬかりがあることにも使われるようになりました。
「間が抜ける」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「間が抜けた+名詞」
人の言動、表情、話、音などを形容する使い方です。「間が抜けた話」「間が抜けた返事」「間が抜けた音」などの形です。 - 「〜は間が抜けている」
人の振る舞いや物事の出来具合などを評するときに使います。「この計画は間が抜けている」「どこか間が抜けている」などといいます。 - 「間が抜けて見える/聞こえる」
見た印象や聞いた印象を述べる形です。「表情が間が抜けて見える」「演奏が間が抜けて聞こえる」などと使います。
「間が抜ける」の例文
- 必要な資料を持ってくるのを忘れるとは、ずいぶん間が抜けた話だ。
- 緊張が解けた瞬間を写真に撮られ、少し間が抜けて見える顔になってしまった。
- 太鼓の音がところどころ遅れるので、演奏全体が間が抜けて聞こえた。
「間が抜ける」の類似表現
拍子抜けする(ひょうしぬけする)
期待していた勢いや張り合いが失われ、気持ちがそがれる場合によく使います。
「相手があっさり引き下がって拍子抜けした」のように、主に人の心理を表す点が「間が抜ける」と異なります。
間延びする(まのびする)
間隔が長すぎたり、話や演技の進み方がゆるかったりして、しまりがなくなることをいいます。
「間延びした話し方」のように、テンポの悪さや無駄に長くてくどいことをいう場合に適しています。
「間が抜ける」の古い用例
『精選版 日本国語大辞典』では、浄瑠璃『大磯虎稚物語』(1694年頃)の「どっこいそりゃまがぬける」を、「音楽のテンポやリズムが外れる」という意味で使われた、初期の古い実例として紹介しています。
17世紀末には、拍子や調子に関する表現として使われていました。
雑俳『柳多留』十五篇(1780年)には「間のぬけた事」という言い方が見られます。
ここでは、音楽の拍子ではなく、することにぬかりがあるという意味で用いられており、18世紀後半には人の言動を評する表現が見られます。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「間が抜ける」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「間が抜ける」項。
