読み方:れいによってれいのごとし

「例によって例の如し」の意味

いつものとおりで、特に変わったところがないことです。

「相変わらずだ」「今回もいつもと同じだ」という意味で使います。

「例によって例の如し」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「〜は例によって例の如しだ」
    「〜は」には、いつもと変わらない人や物事を入れます。「会議の進み方は例によって例の如しだ」「彼の返事は例によって例の如しだ」などの形です。
  • 「〜も例によって例の如し」
    「も」を使うと、今回も以前と同じだという言い方になります。「今回の結果も例によって例の如し」「今年の行事も例によって例の如し」などと使います。
  • 「例によって例の如しで〜」
    後ろに、その具体的な様子や結果を続ける形です。「例によって例の如しで変更はない」「例によって例の如しで話はまとまらない」などと続けます。

「例によって例の如し」の例文

  • 今月の会議も例によって例の如しで、結論を出せないまま次回へ持ち越された。
  • 祖父の朝は例によって例の如し。六時に起き、庭を掃いてから新聞を開いた。
  • 新監督の采配が注目されたが、先発メンバーは例によって例の如しで、大きな変更はなかった。

「例によって例の如し」の類似表現

相変わらず(あいかわらず)

「今までと変わらない」という点では意味がよく似ています。

「相変わらず元気だ」「相変わらず忙しい」のように、副詞として人の様子や状態を直接説明しやすい言葉です。

「例によって例の如し」は、「今回もいつもと同じだ」と、ひとまとまりの状況について述べる形で使えます。

いつもながら(いつもながら)

「いつものことではあるが」という意味で、「いつもながら丁寧な仕事だ」「いつもながら見事だ」のように、後ろの内容を修飾して使います。

「いつもながらの味」のように「の」を続けることもできます。

「例によって例の如し」は、それだけで「いつもと変わらない」と言い切ることができる点で使い方が異なります。

「例によって例の如し」に含まれる言葉の意味

ここでの「例」は、前例や習慣、ならわしといった意味を持つ言葉です。

「例によって」だけでも「いつもの通り」という意味になります。

「如し」は「〜と同じだ」「〜のとおりだ」「〜のようだ」という意味の古い言い方です。

そのため、「例によって例の如し」は、「例」という語を重ねながら、いつもと変わらないことを表す形になっています。

「例によって例の如し」の古い用例

1920年の里見弴『桐畑』「五人目」には、「例によって例の如しかね」という記述があります。

この時期には、現在と同じく「いつもの通りで変わらない」という意味の表現として使われています。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「例によって例の如し」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「例によって例のごとし」項。
ABOUT ME
北澤篤史
ことわざ学会理事。ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語・漢字熟語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。