いい線を行く
読み方:いいせんをいく
「いい線を行く」の意味
条件や要求、期待される水準をある程度満たしていることを意味する慣用句です。
完全に申し分ないというほどではなくても、かなりよいところまで達しているという肯定的な評価を含みます。
「いい線を行く」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜はいい線を行っている」
評価する人や物事を「〜は」で示します。「彼の予想はいい線を行っている」「この企画はいい線を行っている」などの形です。 - 「かなり/なかなか/結構いい線を行っている」
「かなり」「なかなか」「結構」などを前に置き、評価の程度を示せます。「かなりいい線を行っている」「なかなかいい線を行っている」などと使います。 - 「いい線いっている/いい線いってる」
会話では助詞の「を」を省いた形も使われます。「その予想、いい線いっている」「君の答え、いい線いってる」などの言い方です。
「いい線を行く」の例文
- 新人が提出した企画書は、初稿としてはいい線を行っているので、少し手直しすれば採用できそうだ。
- シーズン前に立てた順位予想を振り返ると、今年はかなりいい線を行っていた。
- 「犯人はあの人物じゃない?」と答えると、先生は「いい線いってるよ」と笑った。
「いい線を行く」の類似表現
悪くない(わるくない)
「悪くない」も、一定の評価を与えるときに使える言い方です。
「悪くない」は、人物、味、成績、考え、出来栄えなど幅広い対象に使えます。
「いい線を行く」は、何らかの基準や期待と比べて、かなりよい水準まで達していると評価するときに使いやすい言い方です。
「いい線を行く」に含まれる「線」の意味
「線」には、実際に引かれた線だけでなく、「物事のある水準」という意味があります。
「いい線を行く」の「線」もこの意味で、能力や出来栄えなどがどの程度の水準にあるかを表しています。
「いい線を行く」の古い用例
1964年(昭和39年)4月21日の参議院大蔵委員会では、生命保険契約の伸びについて、「契約の伸び率は確実に非常にいい線をいっております」という発言が記録されています。
人の技量だけでなく、契約の伸び率のような数値的な実績についても「いい線をいく」が使われていた例です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「いい線を行く」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 『第46回国会 参議院大蔵委員会会議録』第28号、1964年4月21日。
