精を出す
読み方:せいをだす
「精を出す」の意味
一生懸命に働いたり、物事に熱心に励んだりすることです。
こつこつと努力を続ける場合にも使われます。
「精を出す」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜に精を出す」
仕事・勉強・練習・作業など、力を注いで取り組む対象を助詞「に」で示します。「仕事に精を出す」「稽古に精を出す」などの形です。 - 「〜に精を出している」
熱心な取り組みが続いていることを述べる形です。「畑仕事に精を出している」「部活動に精を出している」などと使います。 - 「精を出して〜」
「精を出して」の後ろに、実際に行う動作を続けます。「精を出して働く」「精を出して練習する」などの形です。
「精を出す」の例文
- 祖父は定年後も毎朝畑へ出て、野菜作りに精を出している。
- 大会を目前に控え、部員たちは声を掛け合いながら練習に精を出した。
- 納期に間に合わせるため、職人たちは朝早くから精を出して作業を進めた。
「精を出す」の類似表現
励む(はげむ)
「励む」は、ある物事に心を打ち込んで努力することを表し、「学業に励む」「研究に励む」などと使います。
「〜に精を出す」と使い方の重なる部分が多く、さまざまな場面で言い換えられます。
精が出る(せいがでる)
「精が出る」も、よく働いたり活動したりすることを表し、「ご精が出ますね」のように、熱心に働いている相手へ声を掛ける形でもよく使われます。
「精を出す」は「仕事に精を出す」のように、本人の行動を述べる言い方が基本です。
「精を出す」に含まれる「精」の意味
ここでの「精」は、心身を活動させる力、元気、精力という意味です。
「精がつく」「精も根も尽きる」などの「精」と同じ意味です。
「精を出す」の古い用例
室町時代中期の『文明本節用集』には、すでに「精を出す」が記録されており、古い時代から使われてきた表現であることが分かります。
17世紀初頭の『甲陽軍鑑』品第三十六には、「一入精を出し」という言い方が見られます。
「一入」は「ひとしお」の意味で、ここでは以前にも増して熱心に行動することを述べています。
現在の「精を出す」と同じ言い方で、一生懸命に励むという意味に通じる言い回しです。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「精を出す」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「精を出す」「精」項。
