自給自足
読み方:じきゅうじそく
「自給自足」の意味
自給自足とは、生活や活動に必要なものを、外部に頼らず自分または自分たちで生産してまかなうことです。
すべての物を自前でそろえる場合だけでなく、対象の一部に範囲を限って使うこともあります。
「自給自足」の語源・由来
「自給」と「自足」は、それぞれ中国古典に古い用例を持つ言葉です。
『三国志』巻五十二「歩隲伝」には
「種瓜自給」
とあり、歩隲らが瓜を栽培して自らの生活を支えたことが記されています。
『列子』「黄帝篇」には
「不施不惠,而物自足」
という句が見られます。
ただし、この二つの古典句はいずれも現在の「自給自足」という四字形そのものではありません。
「自給」「自足」は古くから存在する漢語ですが、両者を合わせた現在の四字形がいつ一語として定着したかは明らかではありません。
「自給自足」の使い方
次のような形で使われます。
- 「自給自足の〜」
後ろに「暮らし」「生活」「体制」などを続けます。「自給自足の暮らし」などの形です。 - 「自給自足する」
必要なものを自分たちでまかなうことを述べます。「畑を耕して自給自足する」などと使います。 - 「〜の自給自足」
前に対象を置きます。「食料の自給自足」「エネルギーの自給自足」などの形です。
「自給自足」の例文
- 山間の集落では、野菜についてはほぼ自給自足している家庭もあります。
- 停電への備えとして、この施設では太陽光発電と蓄電池を使い、電力の自給自足を目指しています。
- 祖父は退職後、海辺の小さな家で自給自足の生活を始めました。
「自給自足」の類似表現
自立自存(じりつじそん)
他人の助けに頼らず、自分の力で生活を成り立たせることをいいます。
物資を自分で生産することまでは条件に含まれないため、生活する力や独立した姿勢について述べる場合にも使えます。
「自給自足」の古い用例
少なくとも1918年(大正7年)には、日本語で「自給自足」の四字形が使われていました。
同年1月22日の第40回帝国議会貴族院本会議で、寺内正毅内閣総理大臣は、経済政策について
「時運ノ推移、經濟界ノ趨勢ニ鑑ミマシテ自給自足、長ヘニ經濟上ノ獨立ヲ期スル」
と述べています。
この用例では、個人や家庭の生活ではなく、国が経済的な独立を図るという規模の大きな意味で用いられています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「自給自足」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「自給自足」「自給」「自足」項。
- 陳寿撰・裴松之注『三国志』巻五十二「呉書七・歩隲伝」。
- 『列子』「黄帝篇」。
- 『第40回帝国議会 貴族院本会議 第2号』大正7年1月22日、国立国会図書館『帝国議会会議録』。
