読み方:ちさんちしょう

「地産地消」の意味

地域で生産された農産物や水産物などを、その地域で消費することです。

また、その考え方や取り組みも指します。

「地産地消」の語源・由来

「地産地消」は中国古典に由来する言葉ではなく、昭和後期の日本で生まれた比較的新しい四字の表現です。

現在は「地域生産・地域消費」「地元生産・地元消費」などの略と説明されることもあります。

成立の経緯をたどる研究では、農林水産省農蚕園芸局生活改善課が1981年度から4カ年計画で進めた「地域内食生活向上対策事業」との関係が指摘されています。

この事業では「地場生産・地場消費」が掲げられ、その言葉が縮まって「地産地消」になったとされています。

現在の四字形を誰が最初に作ったのかについては、明確に一人へ特定できません。

「地産地消」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「地産地消を進める/推進する」
    自治体、学校、企業などが取り組みを広げる場合に使います。「学校給食で地産地消を進める」「地域ぐるみで地産地消を推進する」などの形です。
  • 「地産地消に取り組む」
    実際に活動する人や組織を主語にします。「飲食店が地産地消に取り組む」「町全体で地産地消に取り組む」などと使います。
  • 「地産地消の〜」
    後ろに「仕組み」「考え方」「取り組み」などを続けます。「地産地消の仕組み」「地産地消の考え方」などの形です。

「地産地消」の例文

  • 市内の小学校では、給食に地元農家の野菜を取り入れ、地産地消を進めています。
  • この料理店は近くの漁港で水揚げされた魚を積極的に仕入れ、地産地消に取り組んでいます。
  • 市は生産者と飲食店を結ぶ仕組みを整え、地産地消の定着を後押ししました。

「地産地消」の類似表現

自給自足(じきゅうじそく)

自分たちが必要とする食料や物資を、自分たちで生産してまかなうことです。

「地産地消」では生産者と消費者が別でもよく、地域の中で生産物が消費される点で異なります。

「地産地消」の古い用例

1984年2月の『食の科学』に掲載された、三浦輝子・三浦雄一・長崎京子「野菜生産の向上から出発した自給活動―秋田県河辺町の農山村地域―」では、

「地産地消による食生活の向上」

という表現が使われていたことが研究資料で報告されています。

「地産地消による〜」という形で、1980年代前半には農業や食生活改善に関わる場で四字の語形が実際に用いられていました。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「地産地消」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
  • 伊東維年「地産地消に対する農協の基本方針と農協の農産物直売所の実態」『産業経営研究』第28号、熊本学園大学付属産業経営研究所、2009年、1~32頁。
  • 島根県中山間地域研究センター・農業・農村マーケティング研究所編・著『島根県中山間地域「産直市」の現状と展開Ⅲ―地産地消産業クラスターの創出による地域食料自給圏の構築を目指して―』島根県中山間地域研究センター、2007年。
  • 農林水産省「地産地消(地域の農林水産物の利用)の促進」。
ABOUT ME
北澤篤史
四字熟語・漢字熟語・ことわざ・慣用句・故事成語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。ことわざ学会理事。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。