年功序列
読み方:ねんこうじょれつ
「年功序列」の意味
「年功序列」とは、勤続年数や年齢が増すにつれて、地位や賃金が上がっていく仕組みや順序のことです。
企業などの人事制度について使われることが多い言葉です。
「年功序列」の語源・由来
「年功序列」は中国古典に由来する成語ではなく、戦後日本の労働研究や人事管理の中で成立した近代の表現です。
氏原正治郎が1953年に発表した「わが国における大工場労働者の性格」では、
「年功的序列」や「年功序列」
という表現が用いられています。
後年の研究では、この論文が年功序列をめぐる研究の出発点の一つとして位置づけられています。
年功序列の形成を、戦後に日本へ移入された米国の先任権と関連づけて捉える研究もあります。
この見方では、戦前からあった「年功」の考え方と、戦後に形成された「年功序列」とを区別しています。
「年功序列」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「年功序列の〜」
後ろに「人事制度」「組織」「会社」などを続けます。「年功序列の人事制度」などの形です。 - 「年功序列で〜」
後ろに人事や順番を決める動作を続けます。「年功序列で役職を決める」などと使います。 - 「年功序列を〜」
「見直す」「廃止する」「重視する」などを続けます。「年功序列を見直す」などの形です。
「年功序列」の例文
- この会社では、管理職への昇進に今も年功序列の傾向が残っています。
- 若手社員を積極的に登用するため、経営陣は年功序列を見直しました。
- 役割を年功序列で決めるのではなく、経験や適性を考慮する方針に変わりました。
「年功序列」の類似表現
年功賃金(ねんこうちんぎん)
年齢や勤続年数の上昇に伴って賃金が高くなる仕組みを指します。
「年功序列」が地位や昇進まで含めて使えるのに対し、「年功賃金」は賃金の決め方に範囲が限られます。
「年功序列」を構成する「年功」の意味
「年功」には、長年にわたる功労や功績、長い経験によって身につけた熟練という意味があります。
「年功序列」の「年功」は、単に年齢だけを指す語ではありません。
「年功序列」の古い用例
1959年の経済企画庁『昭和34年度 年次経済報告』には、
「年功序列賃金の制度が始められている」
とあります。
大企業だけでなく、中規模の企業でも労働者の長期勤続を促すためにこうした制度が広がり始めていたことを述べた箇所です。
1950年代末には、「年功序列」が政策文書でも人事・賃金制度を指す語として使われていました。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「年功序列」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 山本潔「修業時代の実態調査(上)―共同印刷職場調査(1954~55年)[1]」『大原社会問題研究所雑誌』第568号、2006年。
- 吉田誠「1950年以降の先任権評価の変化―マギレのなさの喪失に関する一考察」『立命館産業社会論集』第61巻第2号、2025年。
- 経済企画庁『昭和34年度 年次経済報告―速やかな景気回復と今後の課題』1959年。
