ああ言えばこう言う
読み方:ああいえばこういう
「ああ言えばこう言う」の意味
「ああ言えばこう言う」とは、人から意見や忠告を受けても、あれこれと理屈を並べて素直に従おうとしないことです。
単に自分の意見を述べたり、正当な理由を説明したりする場合ではなく、何を言われても言い返そうとする態度を批判的にいう表現です。
「ああ言えばこう言う」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜は、ああ言えばこう言う」
「彼は」「あの子は」など、人を主語にして、その人が何を言われても理屈をつけて言い返す態度を述べます。 - 「ああ言えばこう言う人/タイプ」
後ろに「人」「子」「タイプ」などを続け、そのような言動をする人の特徴として使います。 - 「ああ言えばこう言うので/から〜」
後ろに理由や結果を続ける形です。「話が進まない」「困っている」などの内容につながります。 - 「ああ言えばこう言うのは〜」
「の」で名詞化し、「ああ言えばこう言うのはやめなさい」など、態度そのものについて注意したり評価したりするときに使います。
「ああ言えばこう言う」の例文
- 弟は注意されるたびにああ言えばこう言うので、母も困っている。
- 先生は、ああ言えばこう言う生徒に、まず相手の話を最後まで聞くよう促した。
- 「ああ言えばこう言うのはやめて、まず自分のミスを認めなさい」と監督に注意された。
「ああ言えばこう言う」の類似表現
どう言えばこう言う(どういえばこういう)
「ああ言えばこう言う」とほぼ同じ意味で、相手の言葉に従わず、あれこれ理屈を言う様子をいいます。
「どう言えばこう言う」のほうが古い文献に用例があり、1729年の浄瑠璃『後三年奥州軍記』にも見られます。
口が減らない(くちがへらない)
「口が減らない」は、口が達者で、理屈を並べて盛んに言い返す様子をいいます。
「ああ言えばこう言う」は、意見や忠告を受けても理屈をつけて従わない態度を指すのが中心です。「口が減らない」はそれより広く、遠慮なくしゃべる様子にも使われます。
「ああ言えばこう言う」の古い用例
現在の「ああ言えばこう言う」と同じ形は、江戸時代後期の人情本『春色雪の梅』に見られます。『精選版 日本国語大辞典』では、1838~1842年頃の用例として「ああ云へばかう云ふ」という表記が挙げられています。すでに現在と同じく、相手にあれこれ言い返されることへの不満を含んだ使い方です。
これより前には、同じ意味を持つ「どう言えばこう言う」が使われていました。1729年の浄瑠璃『後三年奥州軍記』には「どういへはかういふ」に当たる形が残っています。少なくとも江戸時代には、「〜言えばこう言う」という形で、人の言葉に理屈をつけて言い返す態度を指す表現が使われていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 北村孝一編『小学館 ことわざを知る辞典』小学館、2018年、「ああ言えばこう言う」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「ああ言えばこう言う」「どう言えばこう言う」項。
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